マリ・エリクスモーン(Mari Eriksmoen)が歌う日本の春

Mari Eriksmoen(マリ エリクスモーン)はノルウェーのソプラノ歌手。

ノルウェー国内とパリで研鑽を積んだ後、エクサンプロヴァンス音楽をはじめ、ノルウェー、フランス、スイスなどを中心に活躍しており、
レパートリーも、ワーグナーやRシュトラウスのドイツロマン派オペラのリリコ・レッジェーロの役柄から、グルック、モンテヴェルディ、ヘンデル、バッハといったバロック作品、更には近現代作品まで幅広い。

そんな中で、今回、個人的に釘付けになった演奏が、
ルドヴィク・イルゲンス=イェンセン(Ludvig Irgens-Jensen、1894年4月13日 – 1969年4月11日)という人が作曲した、『日本の春(Japanischer Frühling)』という曲の演奏です。

 

 

Irgens-Jensen: Japanischer Frühling – Mari Eriksmoen – Eivind Gullberg Jensen

この曲聴いてたら、本当に目から汗が出て来てしまった。
この曲は、9つの詩からなる連作歌曲になっていて、日本の詩のドイツ語訳が使われているようなのですが、詩の詳細がよくわからないのと、作曲者のイルゲンス=イェンセンが特別日本と縁があるという訳でもなさそうでした。

それでも、エリクスモーンの歌声がこれ以上ないくらいしっくりくる。
透明感がありながらも、決して硬質で寒色の声ではなく、包み込むような温もりのある、
日本歌曲はこういう声で歌って貰いたい!と思うような理想形かもしれない。
この曲はもっと国内で歌う人いても良いのに勿体ない。

余談ですが、
同じ「Japanischer Frühling」というタイトルの歌曲を、Arnold Winternitzというオーストリアの作曲家も書いていますが、この曲は残念ながら私の琴線には触れませんでした。
と、言うか演奏者が下手過ぎた。

 

 

 

やはり、初めて聴く曲の良し悪しって、どの演奏家で聴くかによって左右されるんだと改めて実感しました。
この曲も、上手い人が歌えば素晴らしい曲に聴こえるのだろうか?

 

イルゲンス=イェンセンの「日本の春」はとても気に入ったので、
できれば日本語訳を付けた動画をアップできたらなぁと思います。

 

エリクスモーンに話を戻しまして、
今年、ノルウェーのオーケストラ、Kristiansand Symphony Orchestraのニューイヤーコンサートの模様がアップされているのですが、そこでも見事な演奏を披露していました。
過去の演奏動画では、録音環境の問題もあるのか、それほど良いと思わない演奏もあるのですが、
現在の彼女の演奏は確実に素晴らしいものです。
口のフォームなんかも見ても、変な力みもないし、高音でも響きが薄くならない。

爆音を轟かせたり、超絶技巧をひけらかすのではなく、
こういうソプラノを多くの日本人ソプラノは参考にして欲しいと思う今日この頃。

 

 

Nyttårskonserten – New Year’s Concert 2022

この演奏会はオケも素晴らしいので、本当にお勧めです!

 

 

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