何をするにもかつて無料だったプラッドフォームの機能が改悪されたり、有料サービスになったりで、情報収集手段を模索しながら、最近アップされた演奏会を色々聴いていたのですが、Benjamin Bernheimが上手過ぎて、他の歌手の演奏があまり頭に入ってこない。
テノール: Benjamin Bernheim
ソプラノ:Pretty Yende
Yendeも勿論良い歌手なんですけど、 Bernheimと比較すると硬く聞こえてしまうから恐ろしい。
この軽さの声で中音域まで明るく響きが乗るし、もはやアクートという概念がなく、全てそこで響いてるんじゃないか?ってくらい明るくて明瞭な響き。
パッサッジョ&アクートというテノール界隈で常識とされることを疑う時期に来たのか?なんて考えてしまう程に、この発声技術はどのように身に着けたのか興味しかない。
とまぁ、彼が上手いことはもはや今更語ることはないので次。
テノール: Jonathan Tetelman
ソプラノ: Ailyn Perez
Ailyn Perezは1979年、米国生まれ(両親はメキシコ系移民)の歌手で ドミンゴが主催してることで有名なコンクール”operaria”で2006に2位になり、その後世界的に活躍している歌手ではあるのですが、正直全然私はこの人の演奏どころか名前すら記憶に残っていなかった。
でもこの演奏会での彼女の演奏は、声量こそないものの、表現や発音、ディナーミクの付け方といったフレージング、曲作りの丁寧さは見事で、非常に玄人好みの演奏をする歌手だなという印象を受けました。
それで過去の演奏も聴いてはみたのですが、歌い方が全然違うことに驚き!
2020年より前の演奏なのですが、この演奏だったら似たような演奏をする人は沢山いるので記憶に残らないのも当然かもしれないか?
なんて自己正当化してしまうのはダメかもですが、
この演奏は、上の前歯を見せる感じのフォームからも、喉が上がって下半身と繋がってない、上半身だけの浅い響きになってしまっているのですが、最近の演奏は、丸みがあってレガートが洗練され、より幅広い表現が可能な声になっている。
聴いていてとても心地よい演奏で、こういう声だといつまでも聴いていられる。
アイリーン・ペレス。
全く注目していませんでしたが、ここまで急成長していたとは!?
楽器奏者は突然上手くなるってことは中々ないですが、歌は、何かコツを掴むと化ける一方で、声というのは繊細で歌手は綱渡りみたいな仕事なので、良かった歌手もいつダメになるかわからない。
そこが面白いところでもあり、怖いところでもありますね。
一方の現在売れっ子テノールになっているJonathan Tetelman。
この人は、ピアノの表現が完全にファルセットになってて、実声とピアノが繋がっているのとはちょっと違う、どこか不自然さを感じてしまって、そこまで好きになれない。
良い歌手なのは確かなのですが、声がそこまで重くない割には暗く聞こえるし、そこまで強い声かと言われるとまだ発展途上感があって、どういう方向にいくのかが定まってないように聴こえる。
もう少し明るい響きだと良いんですが、カウフマンの劣化コピーみたいな歌手になりそうで心配。
ソプラノ:Ermonela Jaho
テノール:Charles Castronovo
Ermonela Jahoは癖が強く技術もあって、個性もある。
という中々面白い歌手。
人によっては落ち着きのない演奏に聴こえるだろうが、Jahoの表現が合う人には熱狂を呼ぶタイプ。
中低音でドスの効いた声を出す一方で、繊細な高音のピアニッシモを使いこなす。
聴いてて疲れるけど、どう演奏するかの予想がつかなくてわくわくするという、この感じがJahoの魅力だと勝手に思っていたりします。
一方のCharles Castronovoは、レガートで歌えない、典型的な声で押すタイプの歌手。
世界的に選挙が「推し活」なんて呼ばれてますが、
「押し歌手」が幅を効かせるようなことにはならないで欲しいなと思う今日この頃であります。
ペレスの『ロレッタの美しい夢』は夢見るような雰囲気が足りないような
モッフォの録音が愛聴盤なのでモッフォの夢見るような歌と
つい比較しちゃうんですよね
ヤホとカストロノーボの『ロンディーヌ』の二重唱は
やっぱりモッフォとバリオーニの録音を愛聴しているので
カストロノーボは甘さが足りなくてヤホはセンチメンタルな雰囲気が足りないなって思いました
技術的なことはわからないのであくまで雰囲気の感想で
おじいさんなので古い録音との比較ですが
最近は映像が主力なのでイケメンとか美人とかがもてはやされるのかな
舞台で見る分には気にならなくてもアップに耐えられるって言うのも必要でしょうし
カウフマンもカストロノーボもテテルマンもグリゴーロもイケメンですものね
オロペーサやガランチャは美人だし
勿論実力もあるんでしょうけど
今の時代でもサザーランドとかカバリエ、ホーンはあれだけ人気が出たんだろうかって思っちゃいます
遠目の舞台や録音で声だけ聴いてる分には素敵でもねぇ
philosさん
どうなんでしょう?
聴衆の好みと言うより、演出家が力を持ったことが大きいんじゃないでしょうかね。
そうは言っても、黄金時代だってカラスは太ってる時の方が上手かったのに人気が出たのは劇痩せしてからですし、容姿は古今問わずある程度重視はされていると思いますが、
声より演出効果の方が重視されると、若いうちに歌手が潰されるという問題が起こるし、声に合わない役を歌わされるということも起こるので、結果的に昔より大歌手と呼ばれる人が生まれる土壌がくなっているとは言えるかもしれません。
それでも、過去の名歌手と比べて今の歌手を評価するのはナンセンスだと思います。
それなら巨匠の演奏だけ聞いてれば良い。ということになりますから。
ベルネーム、やっぱりめちゃくちゃ上手いですね。オペラはもちろん、英語のミュージカルを歌っても、こんなに柔らかく、レガートで歌えるのかと感嘆しました。以前、ベルネームが来日した際に、生で聴いたのですが、前にビンビン響いてホール全体を満たしていく、声の豊かさに圧倒されました。日本人なんかは前に響かせようとしたら喉があがって空間が狭くなったりしてしまう人が多いと感じるのですが、ベルネームは空間も広く柔らかく歌っていると感じ、今、最も好きな歌手の1人です。記事の最後の押し歌手の表現はクスッときました笑。ですがほんとにその通りだなと感じます。響きがあがってなかったり、喉にへばりついてる人の歌を聴くと、自分の喉が痛くなってくる感じがします。余談ですが、ガッリアノ•マジーニの歌は聴いていると眉間が痛くなってきて、それだけ響いて歌っているのかと思った経験があります。
よしさん
ベルネームが来日した時行かれたんですね。羨ましい。
現在と言わず、歴代のテノールを見ても、彼はトップレベルの技術を持っていると思います。
Galliano Masiniは、ちょっと鼻に寄り過ぎていて癖があるので、私的にはあまり好きになれないところがありますね。
カストロノーヴォの歌唱といい、我々の喉は共振しますから、発声的に不自然さがあると、どうしても聴いている方にもストレスが掛かってくるんですよね。
あの歌い方でオペラ一本歌い切れるのがむしろ凄い。