2021年シーズンのバイロイト音楽祭の<さまよえるオランダ人>にて、
バイロイト音楽祭初の女性指揮者となるら予定のウクライナ出身の指揮者、
Oksana Lyniv(オクサーナ リーニフ)について取り上げようと思います。
声楽家しか取り上げないことをモットーにやってきましたが、
流石にバイロイト初の女性指揮者ということですから、取り上げない訳にもまいりません。
とは言え、声楽以外を評論しようなどとは考えておりませんので、
簡単に紹介する程度になりますが・・・
リーニフは現在2013年からバイエルン国立歌劇場で指揮をしているそうなのですが、
ベルリンフィルの芸術監督になってからは特に世界的に知名度が上がった、キリル・ペトレンコのアシスタント指揮者を務めていたようです。
ペトレンコはバイエルンの音楽監督でもあり、バイロイトでも今やティーレマンに次ぐ需要な指揮者となっていることを考えると、まぁその筋で白羽の矢が立ったのは間違えなさそうですが、初の女性指揮者としてバイロイトで振るに相応しいかどうかについてはそれぞれで判断して頂ければと思います。
Die Frist ist um
2016-17シーズンにオランダ人を振った時の映像のようです。
何と言っても、オランダ人を歌っているのが現代最高クラスのヘルデンバリトンのアルベルト・ドーメンですから、歌が素晴らしいのは当然なのですが、オケがどれだけ歌に絡んでいけているかという所が重要ですね。
この演奏から5年近い歳月で、リーニフの音楽作りがどう変化するのか楽しみにしましょう。
SR Klassik am See 2018 / Oksana Lyniv / DRP
Mozart. Requiem, K.626
こうして聴くと、劇場叩き上げだけあって、歌の扱いは間違えなく上手いですし、
指揮姿は絵になりますね。
モツレクは中々個性的で面白い演奏ですね。
Tschaikowsky: Zigeunertänze
声楽曲ではありませんが、
この人はチェイコフスキーがお得意なようなので取り上げない訳にはいきません。
チャイコフスキーは器楽作曲家なのか、オペラ作曲家なのか、
個人的には、オペラより器楽の方が有名ではありますが、彼の作品には常に歌がありますので、オペラ作曲家と分類しています。
それこそチェリビダッケのチャイコフスキーを聴くと、人によっては、コレだ!
となるようなのですが、
私なんかは音楽が素晴らしいかどうかは別として、根底には歌がないとチャイコらしさが出ないなと感じてしまう訳です。
バーンスタインは、新ウィーン楽派の断頭など、ロマン派的な音楽が廃れていく中でも、マーラーは自分の中に流れる歌を止められなかった。それが交響曲9番に現れている。
というようなことを言っていましたが、チャイコもそういうタイプの作曲家だったんじゃないかと思えてなりません。
今回は、リーニフがバイロイトで振るということで、
その宣伝的な意味での記事でしたので、彼女の音楽作りについては冒頭でも書いた通りコメントはいたしません。
どちらかと言えばドーメンのオランダ人やっぱ凄いわ~
ということや、
2つ目に紹介したガラコンの映像に出ている歌手について色々書きたくなってしまうので、今日はこのへんで。
まずは、来年には無事バイロイト音楽祭が完全なかたちで開催されることを祈りたいと思います。
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