こんなものを作って演奏してしまうのって凄いな。
COVID FAN TUTTE
Despina: Karita Mattila
Fiordiligi: Miina-Liisa Värelä
Don Alfonso: Tommi Hakala
Dorabella: Johanna Rusanen
Ferrando: Tuomas Katajala
Guglielmo: Waltteri Torikka
Interface manager: Sanna-Kaisa Palo
Mouzart: Ylermi Rajamaa
Covid virus: Natasha Lommi
Sign language interpreter: Outi Huusko
Music: Wolfgang Amadeus Mozart
Text: Minna Lindgren, after Da Ponte
Conductor: Esa-Pekka Salonen
とりあえず全て聴いてみたところ、音楽は基本的にコジ・ファン・トゥッテでした。
ですが、開始がヴァルキューレ1幕の前奏曲なので驚きます(爆)
それだけでなく、レチタティーヴォを廃止して台詞にしたり、曲の順番が色々と入れ替わっていたり、ドン・ジョヴァンニや魔笛のフレーズもところどころ入っています。
なので、曲自体はパッチワークといった感じなのですが歌詞は完全にオリジナル。
フィンランド語で英語の字幕が付いています。
この作品についてはサイトに演奏経緯が書かれていました。
https://operavision.eu/en/library/features/covid-fan-tutte-mozart-helsinki
指揮者のサロネンと本来ドラマティックな役を歌うマッティラが中心となっていたようですが、たった6ヶ月で台本を仕上げて稽古をして、ということをやってのけたのだと知ると、このプロジェクトに関わった方々の熱意は並大抵ではなかったのだと思い知らされます。
オペラは歴史の変化に対応できない芸術であるという批判に立ち向かう大変意欲的な試みだと思います。
タイトルを最初見た時は、直接的、間接的にCovid virusの犠牲になった沢山の方に対してこんな作品を作るとはどういうこった?
とも思いましたが、時事オペラという近代の大きな事件なんかをオペラにしたりするジャンルがあったとは言え、それとも違った実験的な試みがこれほどのスピード感で形になってネットで配信されたというのは、オペラの新しい可能性と言っても言い過ぎではないのではないかと思います。
合唱を無くして、オケも小編成にしたということですが、
それでも、沢山の人が一堂に会して行われていることには変わりはなく、
稽古をするにも細心の注意を払って行われたでしょうし、これが演奏されるまでにどれだけの苦労があったかを想像すると、全てのキャスト、そして台本作家のミンナ・リンドグレン氏には特に拍手を送りたい気持ちになります。
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