ノルウェー国立歌劇場(Den Norske)で行われた、
伝説的なワーグナーソプラノ、キルステン・フラグスタートを湛える、
生誕125周年記念コンサートがYOUTUBEにアップされました。
知名度の高い歌手は出演していないのですが、
全体的なレベルは非常に高く、特にソプラノのMarita Sølberg(マリタ ソルベルク)という人が素晴らしいです。
Kirsten Flagstad Jubilee Concert – Den Norske Opera & Ballett
流石にフラグスタートを湛える演奏会なのでワーグナー作品とベートーヴェンが中心に据えられています。
男声陣はオマケみたいな扱いではありますが、ソプラノ勢は全員かなりレベルが高く、
前述の通り、Marita Solbergは中でも圧倒的な実力者ではないかと思います。
ヘンデル ジュリオ・チェーザレ Da tempeste
グリーク ソルヴェーグの歌
上の歯の辺り、主に硬口蓋から鼻腔にかけてが響きのポイントになっています。
あまり口を大きく開けないことからも、奥の深い響きを使ってドラマティックな表現をするというスタイルではなく、
硬質でクリスタルのような透明感と輝きのある声を常に前で響かせる。
これがソルベルクの歌唱スタイルですね。
フラグスタートの記念コンサートで歌うのにこれ以上相応しい声はそうないんじゃないかと思います。
因みにフラグスタートのソルヴェーグの歌はこんな感じ
Kirsten Flagstad
フラグスタートの方が響きに深みはありますが、低音のEかな?
の辺りで微妙に響きのポイントが変わって、それをごまかすと言ってはいけないのかもしれませんが、微妙にポルタメントを掛けるんですよね。
一方のソルベルクはそれがないのでよりスッキリした演奏になっています。
とは言え、やっぱりフラグスタートの声は本当に素晴らしいですね。
聴き比べると、ソルベルクほど歌えていても、高音で少し押したような硬さが感じられる。
勿論全然許容範囲内で、通常は全然気にならないレベル。
フラグスタートと比較しての話です、
そんな訳で、ソルベルクの演奏もさることながら、最後の第九最終楽章も中々気合の入った演奏なので、是非聴いてみてください。
私個人は非常に満足できる演奏会でした。
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