イタリアで活躍するソプラノ歌手、田中絵里加さんのインタビュー
今回は、その2回目をお届けします。
初回をまだご覧になっていない方は、まず以下をご覧ください。
イタリアで活躍するソプラノ歌手、田中絵里加さんインタビューその①
動画の説明にも書いていることではありますが、
日本では生徒が先生に対して、単純な敬意を越えて心酔してしまい、
言われたことに疑問を持たずにただ盲従してしまう。
ということが多々あります。
特に右も左もわからない頃はそうで、
私も高校生の頃、一番最初に習っていた先生の指導に疑問を持ったことなどありませんでしたし、
音楽大学が行っている講習会でレッスンを受けた時に、自分の習っている先生の指導に懐疑的な発言をされ、「ちょっと声聴いただけでそんなこと言うのはおかしい。」と自分の先生を批判されて腹が立ったのを覚えています。
今にして思えば、あそこで立ち止まって相談できる相手がいれば、学生時代にもっと上手くなれていたのかもしれないなと思う訳ですが、
結局、一番最初に習う先生がその人の歌の人生に大きく影響するのは間違えないです。
そうは言っても、自分の声種や技術、レパートリーが一致する先生を見つけることは容易ではありませんので、そんな場面で声をより客観的に聴いてアドバイスをくれる声楽家以外の歌の専門家。
つまりは伴奏ピアニスト(コレペティトール)が重要になってくるのですが、日本にはプロのコレペティトールを育成するシステムがない。
少なくとも、独奏楽器や歌のように、コンクールなんかで奨学金を貰って留学して研鑽を積む。
という過程がないので、本当に伴奏を専門でやりたい人は単身で海外に行ったり、あるいは研修所で弾いたりという選択しかないのではないかと思います。
そして音大も、声楽教師に比べて伴奏ピアニストの比率が極端に少ないので、中々声楽教師以外の観点から歌を判断して貰う機会を得られない。
日本の声楽のレベルを上げて行こうとしたら、このような部分も改革が必要ではないか?
というのが今回話の要点となっています。
そんな訳で、
自分の声に悩んでいる方は、複数の人に声を聴いて貰うということをまずはお勧めします。
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