Operalia 2021 ファイナルの質が・・・

昨年中止になった世界的な声楽コンクール、Operaliaが開催されました。

そして、ファイナルの演奏がYOUTUBEにアップされたのですが、
その演奏が個人的にはとても残念だったので、評論を書こうと思ったのだが、挫折しました。

 

 

 

Operalia 2021 | The World Opera Competition : Final Round

 

1:27:40~歌う

Emily Pogorelcというソプラノを除いて、全員が大声大会の様相を呈しておりまして、
聴いているだけで正直辛くなりました。

その分、Emily Pogorelc  1人が、柔らかく自然なフレージングで歌っているのが際立っていました。
ただ、フォルテの表現は今一つなので、Operaliaでの演奏より、以下の演奏の方が素晴らしいです。

 

 

ドニゼッティ 連隊の娘 Par le rang…Salut à la France

そこまで声量はないですが、低音でも響きが細くなったり、詰まったりせず、
それでいて、高音の透明度と柔らかさは見事なもの。
発音の明瞭さ、レガートの質共に優れているので、他の演奏者とは明らかに発声が違うことがわかります。

課題はフォルテの表現でしょうか?
余り声量を出していない時の口のフォームは、横に開かずに響きの質が整っているのですが、
フォルテになると、上の前歯を見せるような感じで母音の幅が全体的に広がってしまう傾向にあるのが勿体ない。
それでも、連隊の娘のアリアでは、Salut à la Franceに入いる前まではとても素晴らしい。
はっちゃける音楽になると、フォームもまだ崩れてしまうという感じでしょうか。
この辺りが後々修正できると、本当に良い歌手になるのではないかなと思いました。

 

そんな訳で、Operalia 出場者、全員を取り上げて批評をする気力が無くなってしまったので、以下のような、全く関係ない動画を作りました。

シューベルトの歌曲「春に」を取り上げたものですが、あまりリートに興味のない方でもとっつきやすい曲なので、ただ旋律や歌手の好き嫌いという部分から一歩踏み込んで楽しんで頂けるのではないかと思います。

 

 

シューベルト『Im Frühling(春に)』聴き比べ

 

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