昨年、こんな超豪華キャストを揃えた演奏会がYOUTUBEにアップされているとは知りませんでした。
Soirée exceptionnelle à la Scala de Milan
ここに出ている歌手達は本当に現在第一線で活躍している歌手達ばかりです。
しかし、全盛期を知っていればこそ衰えを感じる歌手もいれば、
まだ若いにも関わらず、悪い意味で声が変わってしまっている歌手もいて、
私の感覚として、健康的な声の歌手の少なさに正直驚いてしまった。
単刀直入に言えば、
ベルンハイムとヨンシェヴァの二人が圧倒的に男女で上手い。
続いてローザ・フェオーラ(Rosa Feola)が若手として健闘している印象。
lisette oropesaなんかは、8年位前の演奏と比較すると明らかに声が不健康になっている。
この時はまだ健康的な声だったのですが、今はもう軽い声のはずなのに、どこか重りがついているような感じで、響きが乗らないし、低音が不自然にドスの効いた声になる。
この症状は、ネトレプコとかダムラウでも聴いてきたのと似てるので、推測になりますが、ステロイドによる弊害でしょう。
最初に歌ってるグリゴーロは、元から一流だとは思っていないのでこんなものでしょう。
声に芯がなく、パッサッジョにあたる五線の上のファ♯の音が鼻に入るので、高音はアクートにはまらず喉に掛かった感じの痩せた声になります。
なぜこのレベルの歌手がもてはやされるのか私には全く理解できません。
昔はドン・カルロのロドリーゴを歌わせれば世界でもトップクラスだった、テジエーも今は見る影もありません。
この演奏と、先頭に貼った動画の24:00~を比較して頂けると明確ですが、
今は全然響きがなく、ただ声が重くて強いだけで、この演奏で聴かれるような柔軟性はどこにもなくなってしまいました。
しかしフランスは現在声楽大国!
テジエーが衰えても、Jérôme Boutillier に引き継がれることでしょう。
彼は現在世界でもトップクラスのバリトンまで成長したと私は考えていますので・・・
後、個人的に驚いてしまったのはフローレス。
彼もここまで衰えてしまったかと・・・
2004年のフローレスの演奏
この演奏と、42:05~の演奏を比較すれば差は歴然。
確かに若い頃から鼻に掛かり気味の独特な響きではありましたが、鼻声ではなかった。
鼻に掛かっていても、アルフレード・クラウスとかヘルマン・プライみたいな歴史的名歌手もいるので、それが必ずしも悪いことではないと私は思っているのですが、
今のフローレスは鼻に入ってしまっていて、響きの芯も失われてしまった。
なので、ピアノの表現はもはやファルセットになっていて貧弱。
ただ小さい声というだけでそこには本来ピアノの表現に必要な緊張感が全くなく、抜いた声にしか聴こえない、
最高音がA程度でも余裕が感じられないし、流石に今までの歌い方をするには厳しい年齢になってきたのかもしれません。
皆様はこの演奏会、どのようにご覧になりましたでしょうか?
よろしければ感想をお寄せ頂けると嬉しいです。
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