劇場などに所属していないのか、Operabaseでもヒットしない歌手でも、将来的に活躍しそうな歌手がイスラエルで活動しているようです。
昨年もこのガラ・コンサートについて触れたのですが、その時はかなり酷評しましたm(__)m
しかし今年は、昨年よりレベルは上がっていると思います。
Gala Concert dedicated to World Opera Day – 2022
動画の概要欄には、出演歌手が記載されているだけで、
プログラムが書かれていないので、どの歌手がどこで歌っているかわからないという不親切さなので、個別「に中々良いな」と思った歌手を取り上げていこうと思います。
Romi Zelig
1998年生まれということなので、まだ20代半ばと若いので将、大学院生の歌唱と考えればかなり来性に期待できる歌手なように思います。
まだ喉が上がったところで歌っているので硬さがあり、高音も勢いで出してしまっているところがありますが、軽めの声ながら中音域に暖かさがあり、発音も前でさばけていて歌い回しも丁寧なので、年齢を重ねれば身体も出来てきますし、もっと喉の下がった深いポイントで歌えるようになるでしょうから、10年後どうなっているか楽しみです。
ulia Binek
声量の面では大きな劇場で歌えるタイプではないかもしれませんが、ピアノの響きがとても美しく、喉に引っかからず声がス~ッと抜けていく感じの発声はとても好みです。
昨年のこの演奏会でも出演していたようなのですが、その時はまだYOUTUBEにこの方の演奏した動画が以下しかなく、以下のRシュトラウスより明らかに上のリューのアリアの方が良いですね。
大きな会場で聴衆の熱狂を喚起する歌唱はオペラの醍醐味ですが、こういう歌唱を小さめの箱で堪能する方が好きな性分としては、今この方の音源は上に挙げた2つしかないので、もっとこの人の演奏は色々聴いてみたいところです。
Jason Berger
この方は安定した歌唱で技術的にはとても素晴らしい。
声に華やかさがあるという訳ではないのですが、技術的に安定して歌えていて、高音も無理なく明るく抜けるし、どの音域でも力みがないのでフレージングが自然。
こういう歌唱ができる歌手というのはどこにいっても重宝されるだろうなと思います。
Rza Khosrovzade
調べても全然詳細が出てこないのですが、まだかなり若そうなので、
声が未成熟な面を考慮した上で取り上げています。
まだまだ線が細いので高いレベルのプロとしては通用しないでしょうが、響きのポジションが安定して高く保たれていて、声も温かみがあって柔らかく低音でも響きが落ちることがないので、発声技術的にはかなり優れたものを持っていると思います。
歌唱と言う面ではノッペリ歌い過ぎて面白みがないので、その辺りも含めて課題は多いと思いますが、悪い癖が全くないので伸びしろという面を見ると大きいと感じました。
圧力で無理やり響きを前に集めた感じではなく、五線の下のC”ド”~上のE(ミ)まで同じ響きの質で歌えるのは素晴らしいこと!
David Goldberg
今年オペラデビューしたばかりのようです。
ハマった時の高音の輝きと、暗く太い中低音には魅力があります、
この人がこのコンサートで一番注目されている歌手なのではないかと思います。
トスカのアリアを歌っても、1:38~1:55などは、
ただ高音を張り上げるだけでなく、高い音域でしっかりディミヌエンドできていますし、
その方法としても、ファルセットに逃げたり、奥に声を飲むようにしてごまかしている訳ではないので、所々声がザラつく感じはあるのですが、技術的な部分なのか体調などの問題なのかは動画からだと判断が難しいところです。
何にしても、まだかなり若く、立派な声を持っているということは確かなので、これから広く活躍する可能性は十分ありますね。
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