Elisabet Einarsdóttir(エリザベト アイナルスドッティル)読み方があっているか自信がないのですが、この方はスウェーデン生まれで、アイスランドとイタリアで音楽教育を受けたソプラノ歌手。
経歴を見ると、
ミラノの音楽院を最高の成績で卒業し、その後「Coop Music Awards」というコンクールで第一位と観客賞を受賞。
マルメオペラアカデミーで2年間の研修を終えた後、スウェーデンやデンマーク、ドイツ、サンマリノなどの劇場で様々な役を演じた。
主なレパートリーは、
フィガロの結婚のスザンナ、
コジ・ファン・トゥッテのデスピーナとフィオルディリージ
ミトリダーテのアスパシア、
ドン・ジョヴァンニのツェルリーナ、
ドン・パスクワーレのノリーナ、
夏の夜の夢のティターニア
その他、現代音楽や新作オペラにも積極的に取り組んでいる。
とのことです。
YOUBUEにアップされている映像では、やはりモーツァルトものが多いですね。
音源が確認できる古いものは2016年頃
モーツァルト ポントの王ミトリダーテ Al destin che la minaccia
この人、立ってる姿勢がキレイで、細い響きながらも真っすぐ声が抜けていく感じで、前に押したところが一切ないのが素晴らしいですね。
有名歌手に例えると、リタ・シュトライヒに似たものを感じます。
Rita Streich
とは言えシュトライヒは名歌手ですから、細い声でコロラトゥーラを得意としながらも、中低音でもしっかり言葉が通る。
中々男声である私にはわからないことですけど、軽い声のソプラノには、中低音で言葉を出すことって本当に難しいのだと思います。
と言っても、Einarsdóttirのリートを聴くとそう思ってしまうのです。
シューベルト Ave Maria 4:32まで
Rシュトラウス Amor 4:50~
技巧的な作品では目立たなかった癖のあるヴィブラートや、鼻に入り気味の声が、アヴェ マリアみたいな曲だと目立ってしまう。
この演奏は2019年なので、最初に紹介した映像の3年後くらいですが、声的にはあまり大きな変化はないように感じます。
モーツァルト 後宮からの誘拐 Martern aller Arten
この演奏が2020年で、マルメのライヴとのことなので、マルメの劇場についてちょっと調べてみたのですが、
マルメ歌劇場(Malmö Opera and Music Theatre)という名前で北欧最大級の歌劇場なのだそうです。
恥ずかしながら、スウェーデンはストックホルムにある、スウェーデン王立歌劇場しか知らなかった。。。
今度、マルメ歌劇場の歌手も調べてみることにしようと思います。
話が脱線してしまいましたが、つまりは2020年がマルメの劇場で研修をしていた時の演奏ということになるのだと思いますが、2019年と比べると、鼻声がかなり改善されて、特に”a”母音はかなり悪い癖が抜けてきているように聴こえます。
とは言え、録音環境が違って、伴奏もピアノとオケなので単純な比較はできませんけど、それでも鼻に入る割合と、中低音の音質はよくなったのではないでしょうか?
残念ながら、最近の演奏音源が見つかりませんので、
2020年以降の音源を簡単に見てみましょう。
2022年
ブリテン 真夏の夜の夢 Come now arounde
こちらはマルメでの演奏
同じく2022年
モーツァルト ポントの王ミトリダーテ Nel grave tormento,
こちらがコペンハーゲンとのことなので、2022年の4月と思われます。
録音環境によってなのか、彼女自身演奏にムラがあるのかはわかりませんが、同じくらいの時期の演奏でも、声の印象が随分違う!
あるいは、言語によって響きの質が変わってしまう歌手もいますから、彼女もイタリア語だと悪い癖が目立ちにくいけど、英語だと母音の空間が狭くなって響きがイタリア語を歌う時より劣ってしまうということはあるかもしれません。
ただ。気になるのは最近の演奏予定が公開されていないこと。
まだ若く、硬質で透明感のある声と優れたアジリタの技術を持っていることは間違えないので、これからの活躍に期待したいところです。
こんにちは。
気になって調べたところご本人のFacebookに行き着きまして、どうやら夏頃にお子さんが産まれたみたいです。
仕事と子育ての両立や出産による体調の変化などに対応するのは大変だと思いますが、最近はコンサートソリストとして地元での活動を再開しているようですので、そのうちまたオペラの舞台で活躍されるのではないかと思います。
KK様
調べて下さりありがとうございます!
なるほど、産休でしたか。
それなら、妊娠されていたと思われる時期に声の調子が変わるのも頷けますね。
それにしても、スウェーデン優れた歌手が沢山いますよね。