Aus der Staatsoper Unter den Linden: Opern-Gala

今回は、ベルリンドイツオペラが
7月22日に配信したガラ・コンサートの紹介になります。

 

 

Aus der Staatsoper Unter den Linden: Opern-Gala

Vincenzo Bellini (1801-1835)
»CASTA DIVA«
ARIE DER NORMA AUS »NORMA«

SOPRAN Evelin Novak
KLAVIER Klaus Sallmann

Giuseppe Verdi (1813-1901)
»OH FEDE NEGAR POTESSI AGL´OCCHI MIEI! … QUANDO LE SERE«
SZENE UND ARIE DES RODOLFO AUS »LUISA MILLER«

TENOR Charles Castronovo
KLAVIER Bonnie Wagner

Giuseppe Verdi (1813-1901)
»MENTRE GONFIARSI L´ANIMA«
ARIE DES ATTILA AUS »ATTILA«

BASS Grigory Shkarupa
KLAVIER Alevtina Sagitullina

Giuseppe Verdi (1813-1901)

»LA LUCE LANGUE«
ARIE DER LADY MACBETH AUS »MACBETH«

MEZZOSOPRAN Marina Prudenskaya
KLAVIER Alevtina Sagitullina

Giuseppe Verdi (1813-1901)
»È STRANO … SEMPRE LIBERA«
SZENE UND ARIE DER VIOLETTA AUS »LA TRAVIATA«

SOPRAN Elsa Dreisig*
KLAVIER Alevtina Sagitullina

Giuseppe Verdi (1813-1901)
»SO PUR QUESTE MIE MEMBRA! … DIO DI GIUDA«
SZENE UND ARIE DES NABUCCO AUS »NABUCCO«

BARITON Michael Volle
KLAVIER Alevtina Sagitullina

Giuseppe Verdi (1813-1901)
»AVE MARIA«
SZENE DER DESDEMONA AUS »OTELLO«

SOPRAN Ekaterina Siurina
KLAVIER Bonnie Wagner

Giuseppe Verdi (1813-1901)
»NINFE! ELFI!«
SZENE DER NANNETTA AUS »FALSTAFF«

SOPRAN Anna Prohaska
KLAVIER Bonnie Wagner

Giuseppe Verdi (1813-1901)
»A TE L´ESTREMO ADDIO … IL LACERATO SPIRITO«
SZENE UND ARIE DES FIESCO AUS »SIMON BOCCANEGRA«

BASS René Pape
KLAVIER Bonnie Wagner

Gioachino Rossini (1792-1868)
»BEL RAGGIO LUSINGHER«
ARIE DER SEMIRAMIDE AUS »SEMIRAMIDE«

SOPRAN Olga Peretyatko**
KLAVIER Alevtina Sagitullina

 

 

 

演奏会として、長さもちょうどよく、全体の演奏の質も中々高いのでお勧めです。

個人的に驚いた演奏は、Elsa Dreisigの椿姫のアリア。

私の記事を今までご覧頂いている方はご存じの通り、私はドライシヒをあまり評価していませんでした。
ですが、ここでの演奏は中々見事です。

観客がいないと力みが取れるのか、低音を無理に押すこともせず、高音を彼女自身のキャパを声て張り上げるようなこともしない。
劇的な表現や、頭の音の入りが微妙に遅れることがあるので、物足りなさを感じる方もいるかもしれませんが、
声としては品格を失うことなく、ただの娘の狂乱とは違った、高い教養を身に着けた女性の困惑のようなものが現れているようで中々面白い演奏でした。

Anna Prohaskaも美しい響きで歌う歌手ではありますが、
選曲がよかったのもあると思います。

個人的には下半身との繋がりと言えば良いのか、上澄だけの響きで歌い過ぎるので、
比較的高い音域でずっと歌っている分には良いのですが、中低音でもそれなりにしっかりした声や表現を求められたり、しっかり言葉を飛ばさないといけないとなると、プロハスカの歌唱には物足りなさを感じます。

 

 

 

いかがでしょうか。
ファルスタッフのアリアと比較して、響きのポジションが部分的に低く感じます。
高音では良い所に入るのですが、胸の響きがないので、中低音では響きを落として歌わないといけなくなってしまうこともあって、どうしても言葉も前に出ない。
とても綺麗な声だけにこれでも十分上手いんですけど、どの曲を歌っても同じように聴こえてしまうという部分はどうすることもできません。

 

 

 

男声陣では、
Michael Volleの演奏は好き嫌いが分かれるかもしれません。
少々喉が上がったような感じになってしまう部分もありましたし、
ヴェルディバリトンらしい声ではないので、
「こんな声でナブッコ歌うな!」と思う方もいるでしょうし、
声に頼らない繊細な表現に新鮮な驚きを覚える方もいるかもしれません。

私的には、そもそもヴォレがヴェルディを歌うイメージがなかったので、
「こんな風に歌うのか~」という新たな発見があって、興味深い演奏でした。

 

男声陣で他には、パーペがやはり流石の実力を見せていますが、
やっぱりバスとしては軽い、むしろ良いバリトンといった声ですね。

 

他によかったのはソプラノのEvelin Novak
Ekaterina Siurinaは優れた歌手ですが、残念ながら本来15分近くあるアリアを中途半端な長さで歌っているので、選曲的に残念な感じでしたので、ノヴァークが目立ったというのはあります。

この人、恥ずかしながら知らなかったのですが、1985年クロアチア生まれとまだ若いソプラノ歌手だったんですね。
実際はこの人の歌を聴いたことがあっても私の琴線に引っかからなかっただけなのかもしれませんが・・・

と言うのも、
ここでの演奏は、暗めの響きではありますが響きで歌うことができていて、
一つ一つの音を丁寧に歌えていることに共感を覚えるのですが、

少し前の歌唱は全く違いました。

 

 

 

はっきりした年代はわかりませんが、2017年以前の演奏であることは確かです。
ノルマの演奏とはまるで別人です。
こちらは喉声でレガートも全然甘々です。

 

 

 

改めてノルマの演奏

このような書き方をすると語弊があるかもしれませんが、
恵まれた体格を使い過ぎずに、まるでレッジェーロのソプラノのように高音を出しているところがポイントでしょう。
上のフィガロの結婚のアリアでは、高音が硬く立体感のない直線的な声で、いかにも圧力で押し出しているような感じでした。
それが、ノルマの演奏では、最後のカバレッタでもアクセルを踏み込まず、7・8割の馬力で余力を残しているのがよくわかります。

声を支える。
という言葉は、専門に歌を勉強したことがない方でも耳にしたことがあるかもしれませんが、
支えにもちょうど良いバランスというのがあって、
特に体格に恵まれた歌手は、勢いで声が出てしまうだけに、ノヴァークのフィガロのアリアのような感じになってしまう人を良く聴きます。

これだけ発声が改善されるなんて、並大抵のことでは今までの歌い方は変えられないので、
本人はとても努力されたんでしょうね。

 

 

最後に歌った、 Olga Peretyatkoは、
最近ハイEsが出なくなってきたりと高音に不安が見えはじめていたのですが、
今回の騒動が彼女のような売れっ子歌手には良い休養になったのかもしれません。
全体的に声が良い時の状態に戻っているように聴こえて、表現力は言うことないので流石の貫録を見せつける歌唱といったところで、トリを飾るに相応しい演奏をしていました。
この人の深くて軽い中低音はそこらのリリコレッジェーロのソプラノには絶対に出せない、
ペレチャッコをペレチャッコたらしめる魅力ではないかと思います。

 

 

CD

 

 

 

 

 

 

 

 

コメントする