スコットが東京でルチーア歌った時の映像って存在していたんですね。
Lucia – Renata Scotto
Edgardo – Carlo Bergonzi
Enrico – Mario Zanasi
Raimondo – Plinio Clabassi
Arturo – Angelo Marchiandi
Alisa – Mirella Fiorentini
Normanno – Giuseppe Baratti
キャストの発声技術が如実に表れる部分に、ユニゾンを歌った時があるのですが、
40分辺りの、スコットとベルゴンツィのピッタリハマったユニゾンにゾクゾクします。
セッラとクラウスの同演奏でもそうなんですけど、
例えば、日本人ソプラノとして健闘している田村麻子氏とヴァルガスの演奏だとそうはいかないのである。
この演奏の、41:20~
”a”で伸ばしている時はまだ良いのですが、田村氏は”e”母音が横に開いてしまう日本人ソプラノに多くみられる症状を克服できていないことと、そこまで酷くはないものの、ヴァルガスと一緒に同じ旋律を歌うと無駄なヴィブラートが掛かっている分、声が浮いて聴こえてしまう。
このユニゾンが、スコットとベルゴンツィという全く声質の違う二人が歌うとピタっとハマるのですから、本当の意味で正しい音程は発声技術と連動していることがよくわかりますし、声が揺れることそのものがアンサンブルにとっては致命的なマイナスであることも伝わるでしょう。
こんな感じで流石はベルゴンツィ&スコットと言った感じなのですが、
負けず劣らず凄いのがエンリーコを歌ってるザナーシ。
この人は同じ年に日本で仮面舞踏会のレナートも歌っているので、2演目で歌っていた訳ですね。
そして、その時の映像もありました。
確かにここうう演奏を生で聴いていた世代の方が、今の歌手をボロクソ言う気持ちはわからなくないですね。
私なんかは、改めてこういう演奏を聴くと、有名歌手以外のレベルの高さに驚かされるんですよね。
このザナーシも日本での映像以外はYOUTUBE上にない位なので、
この時代の演奏を記録していたNHKはいい仕事していたと言えるでしょう。
リゴレットのアリアを歌っても、全然勢いに任せて歌うところがなくて、非常に端正な歌い方をされています。
それにしても本当に発音が明瞭で、ヴェルディバリトン=声量で押す。というイメージとは真逆です。
時々古い歌手を聴くとやっぱり刺激があって良いですね♪
でも、現代の演奏会も捨てたもんではありません。
Gala Puccini (Callegari/ Pirozzi/ Pretti/ Luciano)
soprano Anna Pirozzi
tenore Piero Pretti
baritono Davide Luciano
Orchestra del Teatro La Fenice
Direttore Daniele Callegari
PROGRAMMA
Giacomo Puccini
01:54 Preludio sinfonico SC32
11:31 Edgar: «Questo amor, vergogna mia»
15:41 Tosca: «Recondita armonia»
Alfredo Catalani
19:11 La Wally «Ebben? Ne andrò lontana»
Giacomo Puccini
23:17 Manon Lescaut Intermezzo
Almicare Ponchielli
29:35 La Gioconda «Cielo e mar»
32:25 La Gioconda «Suicidio!»
Giacomo Puccini
40:50 La boheme «Oh Mimì, tu più non torni»
Pietro Mascagni
47:23 Cavalleria Rusticana Intermezzo
Giacomo Puccini
51:47 Madama Butterfly «Bimba, bimba non piangere»
先日フェニーチェで行われたコンサートなのですが、
テノールのPiero Pretti は硬さはあるものの流石の高音を聴かせており、
バスバリトンのDavide Lucianoが実に柔軟でありながらも鋭い芯のある響きで歌っていて素晴らしい。
低声でこれだけ軽くて強い、それでいて暖かさのある自然な声は中々いないのでは?と思い、とても感銘を受けました。
実は、また新たにインタビューをさせて頂く方が決まりまして、
まだ田中絵里加さんへのインタビューのアップが途中なのですが、来週以降、また新しい方のインタビューもお届けできそうですので、そちらも楽しみにして頂ければ幸いです。
初めてお便りします。
大好きなスゼイがポロポロな論評でこれは全部読まなくてはと思ったのですが読み出すと大変な労作でした。
正直面白いです。
60年近く声楽を聴いているので思いつくまま貴兄の論評に合いの手を入れたいと思っています。
ザナージは評論家高崎保雄さんの大好きなバリトンで30年ほど前の音友
のイタリアオペラ特集号に載っています。この雑誌は音友編集者石戸谷さんの渾身の編集で今こんな編集者がいるかしら。
スコットもペルゴンツィも晩年聴きました。歌の形が美しいと思いましたが流石声は...
山下 明様
コメント頂きありがとうございます。
好きな歌手を批評されるのは良い気持ちはしないと思うのですが、
私の記事をご覧頂き本当にありがとうございます。
名歌手の晩年の演奏は、まぁ骨董品みたいなものと私は捉えています。
私も引退直前のコッソットを聴いた時は、正直どこが良いのかわかりませんでしたが、
全盛期の音源を聴いて驚いた経験がありますので。
お久しぶりです。
いーです。
このレナータスコットのランメルモールのルチアの東京の映像、なんか記憶が・・・・・・と考えていたらもしかしてと思い検索したら、キングレコードで DVDで発売していました。
当時この作品を買おうと思いましたが、値段が私にはとてもと思い買うのを断念した記憶があります。
発売日が2003/12/26でした。
品番K IBM1018です。
今もキングレコードで発売してるかはわかりません。
無ければ中古で捜すしかないです。
いーさん
やっぱり映像メディアになっていたんですね。
いずれは削除される映像でしょうから、今のうちに〇〇しておいた方が・・・
とは大きな声では言えませんが、貴重な映像が見れて個人的には儲けものでした。
この DVDキングレコードの「伝説のイタリアオペラ」のなかの1つのようですね。