Olga Peretyatkoのマスタークラス

名ソプラノ、Olga PeretyatkoのオンラインマスタークラスがYOUTUBE上にアップされていました。

基本的に英語による指導で、あまり見本を見せながらという指導ではないですが、
身振り手振りをつけながら、1フレーズづつとても丁寧な指導をされているので、
ソプラノの方に限らずとても参考になるかと思います。

 

 

 

最初に歌われている曲
P. Mascagni – Suzel’s aria “Son pochi fiori” from “L’amico Fritz”

 

●まず喋らせる。
●”i””e”母音で横に開かないようにする。
●息を吸い過ぎないようにさせる。
●高音でポジションを変えないようにする。

どこをとってもその通りでございます!
と言いたくなる的確な指導をなさっていいるのですが、

そんな中でも一番良いな~と思ったのが、
下から上に開いていくような、いわゆる息を回すような動作をするのではなくて、
上から下に息を流すような動作をされること。

下から上に意識をもっていくと、どうしても喉があがってしまうし、支えも浮いてきてしまうので、上から下への意識というのはすごく大事だと思います。

 

2番めに歌われている曲
F. Cilea – Adriana’s aria “Io son l’umile ancella” from “Adriana Lecouvreur”

こちらはロシア語で抗議をしているので全然内容がわからないのですが、
言葉が奥に籠ってしまう人に足しいて、まずリップロールで歌わせて、次に”i”母音の響きを修正する。
これまた何と的確な指示だろう。
前で言葉がさばけないと、どんなに声がよくても何言ってるかわからない歌にしかならないので、唇と舌先で発音できるようにする訓練は本当に大事。

 

3番目に歌われている曲
C. Saint-Saëns – Dalila’s aria “Amour! viens aider ma faiblesse” from “Samson et Dalila”

この方は良い声のメゾで褒められていました。
伸ばす音で息が止まってしまうことがあって、そこを細かい音の連続であるかのように捉えるように指導されていました。
長い音符を細かい音の集まりであるかのように捉えて練習するというのは結構一般的な練習方法だと思います。

例えば8拍伸ばすmessa di voceを練習しようと思ったら、
4部音符2個をクレッシェンド、2個でディミヌエンドするイメージで、
これを16部音符とかに細分化して考えていくと、より明確に音量調整するための感覚を身体に覚えさせることができます。

この方のレッスンで一番重要になってるのは、急に高音を出す場合方法。(1:27:00~)
これは、吉田志門さんも動画で仰っていますが、息を吸いすぎずに止めるという技術の指導がされています。
フレーズを歌ってきて、急に高音を出す時に息を吸うと、今まで使ってきた身体のフォームが崩れてしまうので、身体を維持したままでブレスをする必要があります。
でも、いきなりそれは難しいので、止めるという手段を使うとすんなり入ることができます。

そんな訳で、いきなり高音から歌い出さないといけないような場合は、まず前のフレーズから繋げて歌う。
それが慣れたら息を止めて休符を取ってから歌う練習をする。
それもできるようになったら、無茶苦茶ゆっくりなテンポで、身体のフォームを崩さないように深いブレスをとって歌える練習をする。
こういうプロセスを踏むのが効率的かと思います。

後は、どのような母音かが大事ですが、大抵こういういきなり高音を出す場合は感嘆詞の”a”が多いので、どうしても息が太くなり易い。
そこでペレチャッコは、前に”y”を入れて”ya”で歌わせて太くならないように指導していますね。
本当に人によって実に的確な指導ができるなぁと感心させられっぱなしです。

 

とりあえず1:40:00このマスタークラスを聴いた感想でした。
続きの方も聴いて後日記事を更新するかもしれませんが、
ペレチェッコのマスタークラスの映像はまだ何本かアップされているので、
また別のを観たらアップして感想なども書いていこうと思います。

男声を指導してるのがあったら良いのだが・・・。

 

それにしても彼女の喋り声はなんて素晴らしいのだろう。
ペレチャッコは喋ってる声を聴いてるだけで疲れが癒される(⋈◍>◡<◍)。

 

 

 

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