読者の方から、某音楽教室のレッスンが酷かったという相談を受けて、ボイトレをさせて頂いたのですが、本当に何も教えてくれない講師がいるということに驚かされました。
そこで、音楽教室の声楽レッスン形態や料金を調べてみることにしました。
◆椿音楽教室
※講師選択可能
◆島村楽器の音楽教室
※所属講師不明
◆山野楽器
※所属講師不明
◆宗像声楽教室
※テノールの宗像成弥氏以外の講師は不明
◆FIDES学院
※Emiliano Blasiというイタリア人のバリトンが指導しているようで、通訳付きの値段だそうです。
◆アルル音楽教室
※講師紹介だけでなく、一部演奏動画まで公開している。
練習室が解放されててこの値段は結構凄いと思う。
まぁ、探せば幾らでも他に出てくるのですが、
イタリア語の教室名で、「ベルカント教えます」みたいなのは基本胡散臭い(笑)
講師のイタリア人調べても情報出てこなかったりするし、通常より高い料金を取る以上、せめて講師演奏くらいはアップしとけよと私なんかは思ってしまいます。
でも、不思議なことに、ドイツ語名で「正しいドイツ語の発音から丁寧に指導します」みたいなのがないことから想像するに、
イタリア=開放的で明るい声=大きくて高い声が出る。
というイメージをあまり詳しくない方には植え付けることができるのでしょう。
それはそうと、まず音楽教室を推奨しない理由について詳しく書きます。
❶時間が短い上に時間厳守
相談を受けた方の例ですと、30分のレッスンで無理やり3曲を歌って、
何も問題が解決できないまま次に進むことになるのだそうで、
発声練習も無しに等しく、発声についての詳しいことは、医学書を見ろとしか言わず、
一切教えて頂けなかったとのことでした。
勿論人によって、ただ好きな曲が歌えればそれで良いという方もいらっしゃるのかもしれませんし、
趣味なのだから基礎的な訓練はしたくない。という方もいるでしょうが、
それでも、基礎体力がないと登山ができないのと同じで、最低限(何を持って最低限と言うかは難しいですが)の基礎は教えないと、そもそも講師とは呼べません。
ッと、ここで重大なのが、講師のことは往々にして「指導者」と言い換えられ、「教育者」という呼び方はされません。
この日本語の定義は声楽の現場でしっかりつけて欲しいと私は思うのですが、
私の解釈として、「指導者」は、生徒の声を正しい方向に導くこと。
つまりは、その人が持っている声をちゃんと判断して、合うレパートリーやフォームを模索して提案することであって、
「教育者」は、自分の経験や知識で生徒を染めることです。
はっきり言って後者の講師が大多数なんじゃないかと私は思います。
生徒の声や癖に応じて違った角度からフォローしたり、練習する曲の課題を出したりする能力が求められる訳ですが、時には自分には手に負えない声というのも当然あるはずです。
そんな場合、音楽教室だと、指導できない声でも出来ない。とは言えないので、いい加減なことを言います。
個人レッスンであれば、ちゃんとした先生なら教えられないことはきっぱり断るでしょうが、音楽教室では無理です。
ということで、音楽教室を推奨しない理由その2が上記ですね。
❷先生のことがよくわからない
イタリア物に特化したところであれば、そういうことは起こらないのかもしれませんが、
そもそも先生がどのような歌を歌う人なのかがわからないことが多いですし、
講師の演奏音源を公表しているところであれば多少は安心できますが、
通常の音楽教室であれば、どのようなレパートリーを教えられるのかもわかりません。
それに何より、講師も色々な規則に縛られるので、血の通った指導というのは難しい。
そういう部分からも、今は多くの歌い手が自分のサイトを持っていたり、
それがなくても、何等かのツールでダイレクトメールを送って連絡が取れるので、
習いたい人に直接連絡を取るというのが一番良いと思います。
因みに私が今習ってる先生は、リサイタルに押しかけてレッスンして貰うよう志願しました(笑)
方向性が決まらず、とりあえず上手くなれるかな~。と思って行くと良いカモになるだけなので本当にお勧めしません。
あっ、それは音楽教室より、むしろ音大かもしれませんけどね。
と、いうことで、先生を選ぶのは生徒の権利であって、先生に生徒を選ぶ権利などありませんので、合わない先生に当たってしまったと思ったら、迷わず違う先生を探しましょう!
先生選びに迷ったり、酷い先生の指導で歌う自身を無くしてしまった方がいらっしゃいましたら、相談に乗りますので遠慮なくご連絡ください。
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