南アフリカのオペラ歌手と言えば、
Johan Botha、最近ではPretty Yendeと、優れた歌手を度々排出しているのですが、
1990年生まれの若手テノールで、Levy Sekgapaneというロッシーニテノールも実に素晴らしい歌手でした。
近日中に南アフリカの歌手紹介は作った方が良いかもしれません。
もしかしたら南アフリカ、声楽教育のレベルが高いのかもしれません。
レヴィ・セクガパーネですが、
International Hans Gabor Belvedere Singing Competition
Montserrat Caballé International Singing Competition in 2015
Operalia,2017
でそれぞれ1位を取っているのですが、不思議なことにどこで声楽教育を受けてきたのかが全然biographyやWikiに書かれていない。
恐らくヨーロッパに渡って勉強したのだと思いますが、南アフリカに生まれて、どのような経路で研鑽を積んだのかは興味が沸きます。
さて彼の歌唱ですが、
ロッシーニ アルジェのイタリア女 anguir per una bella
この演奏が2015年ということなので、25歳。
そして以下がOperalia、つまり2017年の演奏
ドニゼッティ ドン・パスクワーレ Cerchero lontana terra
フローレスに似すぎていて、正直音源だけ聴いたら区別つかないかもしれません。
Juan Diego Florez
セクガパーネの方が微妙に鼻に掛かる比率が高いですが、
響きの質がそっくりで驚きます。
ロッシーニ セビリャの理髪師 Cessa di più resistere
そしてコレがYOUTUBEで見つかった中で一番最近(2020年)の演奏。
鼻に掛かる癖がなくなってきている。
まだ30歳でこの演奏は驚異的ですね。
今年の予定を見ると、ドイツを中心にフランスやスイスでロッシーニ作品とドニゼッティを歌うようです。
今はほぼロッシーニばかり歌っているような感じですが、モーツァルトも得意としているようで、ドイツ物も歌えるとのことから、レハールのオペレッタも歌っていたりするところを見ると、今までのロッシーニテノールには見られない傾向かもしれません。
あえて探せばチェーザレ ヴァッレッティがドイツリートも歌っていましたから、セクガパーネもいづれ歌曲の分野でも優れた演奏を聴かせてくれるかもしれません。
ヴァッレッティをご存じない方は参考までに
イタリア人テノールのリート演奏で彼以上に優れたものを私は知りません。
ロッシーニと言うと、超高音、超絶技巧ができてナンボといったところがありますが、クガパーネは発音も丁寧ですし、フローレスよりヴァッレッティのような歌手になって欲しいなぁ。なんて思ってしまうのは私だけでしょうか?
暫くはロッシーニやドニゼッティがレパートリーの中心になるでしょうが、40歳・50歳と年を重ねたらどんな歌手になるのかとても楽しみです。
こんにちは!
いつも上質な歌手の紹介ありがとうございます。
このテノール良いですねぇ。
黒人の方は少し独特な響き(筋肉の性質の違い??)があるなぁと色んな歌手を聞いて思いますが、どの方も良い響きですね。
ブラウンリーなんかも好きですが、これからが楽しみな歌手がいるのは心が踊りますね^^
Yujiro様
嬉しいコメントありがとうございます。
そうですね。
黒人の歌手には声に特徴があるように思いますが、セクガパーネは癖があまり感じられない本当に良い歌手だと思います。
そういう意味で、日本人声も克服する手段があると思いますので、色々な国や地域の歌手を紹介していきます。