Paris Opera competition 2022 のファイナリストにフランス人がいない!?

Paris Opera competition 2022 ファイナルの動画がアップされていました。

 

先日見た時は説明文がなくて、どの曲を誰が歌っているのかわからなくて取り上げるのをためらっていたのですが、今見たら詳いことが書かれていたので、簡単に取り上げてみようと思います。

 

Paris Opera competition 2022 Finals

 

<PROGRAM>
Leo Delibes
Lakmé | ‘Où va la jeune Hindoue’ | Serena Sáenz Molinero

Piotr Ilyich Tchaikovsky
The Maid of Orleans | ‘Da tchas nastal’ | Deniz uzun

Charles Gounod
Faust | ‘Avant de quitter ces lieux’ | Luke scott

Giuseppe Verdi
La Traviata | ‘Parigi o cara’ | George Vîrban and María Brea

Wolfgang Amadeus Mozart
La Clemenza di Tito | “Parto, parto ma tu ben mio” | Anna harvey

Ambroise Thomas
Hamlet | ‘Doute de la lumière’ | William Desbiens and María Carla Pino Cury

Gioachino Rossini
L’Italiana in Algeri | ‘Cruda sorte’ | Aytaj Shikhalizada

Il barbiere di Siviglia | “Ah qual colpo inaspettato” | Deniz Uzun, George Vîrban and Luke Scott

Gaetano Donizetti
Linda di Chamounix | “O luce di quest’anima” | María Carla Pino Cury

Nikolai Rimsky-Korsakov
The Tsar’s Bride | ‘Zachem ty’ | Aytaj Shikhalizada and William Desbiens

Gustave Charpentier
Louise | ‘Depuis le jour’ | María Brea

Engelbert Humperdinck
Hansel and Gretel | ‘Wie duftet’s von dorten’ | Anna Harvey and María Carla Pino Cury

Wolfgang Amadeus Mozart
Così fan tutte | ‘Il core vi dono’ | Deniz Uzun and Luke Scott

Piotr Ilyich Tchaikovsky
Eugène Onegin | “Kuda, kuda” | George Vîrban

Wolfgang Amadeus Mozart
Lucio Silla | ‘D’elisio in sen m’attendi’ | Aytaj Shakhalizada and Serena Sáenz Molinero

Gioachino Rossini
The Barber of Seville | ‘Largo al factotum della città’ | William desbiens

Richard strauss
Der Rosenkavalier | ‘Marie Theres’! Hab ‘mir’s gelobt’| María Brea, Anna Harvey and Serena Sáenz Molinero

Gioachino Rossini
L’Italiana in Algeri | ‘Va sossopra il mio cervello’ | Tutti

 

 

パリのコンクールなのですが、以下のように一人もフランス人とイタリア人がファイナリストにいないというのは衝撃的でした。

何と言っても今フランスは優れた歌手を数多く輩出している国でもある訳で、ファイナリストに残れる歌手がいないというのが不思議だったのですが、どうも審査員にヴィリャゾンなんかがいるようで、上位入賞者を見ると、太い声でパワー系の歌唱をする人なのを見ると、フランス系の歌手がファイナリストに残れなかったのは仕方ないのかもしれません。

 

 

 

Anna Harvey, mezzo-soprano, UK,(1位

 

 

Aytaj Shikhalizada, mezzo-soprano, Azerbaijan,(2位

 

 

Serena Sáenz Molinero, soprano, Spain,(3位

 

上位3人がことごとく喉声っぽい歌唱なのが気になります。
3位の方は喉というよりは、鼻気味ではありますが、どちらにしても響きが乗っていないのは同じことです。

 

 

Maria Brea, soprano, Venezuela,

 

 

 

 

個人的には、この方が一番上手いなと思いました。
中音域から低音に掛けて鼻気味に入って、低音で声質が変わってしまう部分はあるのですが、それでも高音の深さと柔軟性のある響きから、高いブレスコントロール技術を持っていることがわかります。
ただ超高音や超絶技巧をこなすだけでなくて、その瞬間ごとに神経の行き届いたディナーミクができるのが素晴らしいと思います。

 

 

William Desbiens, baritone, Canada,

こういうレガートがない歌唱をする歌手は個人的に苦手です。

 

 

George Vîrban, tenor, Romania,

本当にファイナリストなのか?
と思えるような、軽い声ながら重りを付けたような悪い意味で厚い響きで、このアリアを歌うと粗しか見えない。。

 

 

Maria Carla Pino Cury, soprano, Chile,

喉の上がったポジションで歌う日本人に多いタイプのソプラノ歌手。
こういう曲を歌っている分にはまだ栄えるのですが、

 

こういう曲を歌うと発音が全部奥まって聴こえてしまう。
ペーターゼンの歌唱と比較すると、発音のポイントが全然違うことがわかるかと思います。
軽々と技巧をこなせる明るい響きだから、響きのポジションが高い良い響き。という訳ではないので、この辺りを聴き分けるのは色々な演奏に触れないと難しいかもしれませんが、良い演奏がわかると、そういう演奏が出来る歌手に出会えた時の喜びも大きなものになります。

 

Marlis Petersen

 

 

 

Luke Scott, baritone, UK

こちらもカナダのバリトンの方と同じような声ですね。
審査員の好みがよく分かります。

 

 

Deniz Uzun, mezzo-soprano, Germany

なぜカルメン?
中音域の音質は決して悪くないと思うのですが、カルメンを歌う声かと言われると・・・
それに高音は喉が上がってしまっている。
高音が苦手で中音域は綺麗になるソプラノみたいな声に聴こえてしまうのは私だけでしょうか。

 

とまぁこんな感じでしょうか。
私は、Maria Breaについては今後も注目していきたいなと思いました。

 

最後に、国際声楽コンクール東京
というYOUTUBEチャンネルがあり、コンクールも毎年行われているようなのですが、
日本人意外出てる人がいなさそうなんですよね。

国際とは何なのだろうか・・・

 

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