若手歌手の登竜門的コンクール、NEUE STIMMEN(新しい声)
今年の映像がアップされたので早速一通り歌手をチェックしてみたのですが、個人的な感想としては、韓国人テノールのSeung wooが圧倒的に上手いなと思いました。
NEUE STIMMEN 2022 | Finalkonzert
Seungwoo Simon Yangの演奏は、
0:38:20~と2:16:35~です。
今まで記事をご覧になって下さっていた方はご存じかもしれませんが、
私は今まで韓国と米国のテノール歌手は結構酷いこと書いてるんですよね。
特にメトでずっと歌ってる韓国人テノールのYonghoon Leeはアリア1曲聴くのもキツイくらい喉押しで、こういうタイプのテノールが韓国には沢山いる。
という理由で酷評することがありました(決して嫌韓な訳ではない)
Yonghoon Lee
勿論、静岡国際オペラコンクールで優勝した Moon Sehoonのようなパワー系ではない歌手もおりました。
そして今回Seungwoo Simon Yang。
Moon Sehoonの方が声に輝きはあるのですが、
ディナーミクの付け方、高音でのMessa di voceの技術はMoonより上で、
”u”母音の響きがとにかく理想的。
深さがありながらも、前に響きがあって、それでいて丸みがある。
これだけ高い発声技術を身に着けた歌手は中々いないです。
他の出演者が気の毒になる位技術の完成度が違い過ぎるので、個々の歌手についてコメントは今回書きません(笑)
という事でSeungwoo Simon Yangについてちょっと調べてみたのですが、
1997年、韓国生まれで現在はハンブルク州立歌劇場で歌っているようです。
そして、歌唱からも感じていたのですが、やはりリート演奏に力を入れていて、
同じくハンブルクで活動している日本人ピアニストのMegumi Kuroda氏と演奏しているグリークやシューマンの演奏が本人のYOUTUBEチャンネルにアップされていました。
ドイツで活躍している日本人ピアニストって多いですね。
私の知り合いにもフライブルクにいってるピアニストがいますが、活動できるパイプがちゃんとあるのでしょうか?
歌手はシュトゥットガルトやカールスルーエに行く人が結構いるんようですが、あまり活躍しているという話を残念ながら聴いたことがないので、やはり日本人演奏家は声楽<ピアノ
という評価になってしまう気がします。
それにしても、Seungwoo Simon Yangというテノールは超逸材ですね。
リート演奏を聴いても、現在リート歌唱のトップテノールとして活動している、ベーレやプレガルディエン(息子)と比較しても癖がない。
Daniel Behle
Julian Prégardien
アジア人コンビのドイツリート演奏が世界的なレベルに達しているって考えてみると凄いことですね。
このお二人のリサイタルは是非日本でやって欲しいものです。
と言うことで、新しい声コンクールのことを書く予定だったのですが、
あまりに一人だけ次元が違い過ぎたので、Seungwoo Simon Yangの演奏を礼賛するだけで終わってしまいました!
2023年まではハンブルクで歌う予定が出ていましたが、世界的な大劇場やコンサートホールで活躍する日が近いかもしれません。
個人的な希望を書けば、声量で押すタイプではないので、あまり大きな会場に出てフォームを崩したりして欲しくない・・・
特にリートなんて、サントリーの大ホールやオペラシティのコンサートホールみたいな所で聴くものじゃないですからね。
シュトウットガルトやカールスルーエに行く人が多いというのは その土地の音大を目指す人が多いということですか?
良い先生がいらっしゃるということでしょうか?
日本にいながらそういう情報をどこで得られているのでしょうか?すごいですね。
せーや様
コメントありがとうございます。
カールスルーエは白井光子氏が教えていることが大きいですね。
シュトゥットガルトは芸大と提携していたのですが、コロナ前の情報でした。
今見てみたら、シュトットガルトがなくなって、リューベックやミュンヘンになってますね。
留学先として多い地域は各音大との提携状況を見ると分かり易いですよ。
そういう繋がりで、在学中の夏季短期留学先はオーストリアのモーツァルテウム音楽大学行く方が多い印象です。