驚くべき楽器を持ったメゾソプラノEgle Sidlauskaite

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Egle Sidlauskaite(エグレ シドラウスカイテ)は1983年リトアニア生まれのメゾソプラノ(コントラルト)歌手。

BBC Cardiff Singer of the World2013で入賞して注目を集め、その後はリトアニアの歌劇場でオペラだけでなくコンサート歌手としても活躍しています。

シドラウスカイテの持ち味は何と言っても深くて強いドラマティックな中低音。
ボロディナのような圧倒的な楽器を持った逸材なのではないかと私は思っているのですが、
低声の女性歌手で立派な楽器を持っている方はどうしても言葉が飛びにくく、この方も例外ではありません。
ですが、それを差し引いても、コントラルトも出来るような立派な声を持っていながら、ノルマのソプラノアリアやトスカのアリアまで歌いこのあせる繊細な高音を持ち合わせた声には大きな魅力があります。

 

 

 

Eglė Šidlauskaitė – BBC Cardiff Singer of the World 2013

 

こちらが2013年のBBCカーディフ声楽コンクールでの演奏。
響きはまだ喉の奥にあるような感じで、籠り気味に聴こえるのですが、
歌そのものは非常に丁寧な歌唱で、立派な声で吠え散らかすというよりは決してしないのには好感が持てます。

むしろ逆にブレーキを踏んで歌っているように聴こえる部分も随所に見られ、その分楽器を持て余している感じが鮮明に出ているように私には感じます。

メゾソプラノ歌手の難しさはテノールと似ているところがあると思うのですが、
力技でも立派な楽器を持っていればどうにかなる音域を我慢して鳴し過ぎずに、
上手く胸の響きと裏声の中間の柔軟な声を開拓することは忍耐力がいることだと思います。

シドラウスカイテのこの時の演奏は、色々試行錯誤していることが聞き取れる演奏で、
音域によって響きの質が変わってしまったり、最後の曲の高音ではややすっぽ抜け気味になって大きなヴィブラートが掛かってしまったりと事故は起きていますが、だからこそ歌を勉強している人にとっては参考になるということもあります。

 

 

 

シューベルト Ave Maria
レスピーギ Nebbie

 

こちらは2015年の演奏。
2013年の演奏から2年で何がどう変わったのか?

2013年の頃はかなり重い声のコントラルトのようで、高音もまだ不安定でした。
しかしこの演奏では、声のポイントが確実に前になって全く詰まった感じはなくなり、響きの高さも出てレガートも格段に質が良くなっています。
言語に関係なく発音にはまだまだ改善の余地がありますが、2年という時間で驚くほど声が変わっています。

 

 

 

 

バーンスタイン キャンディード I’m easily assimilated

 

物凄く軽く歌っていながら十分に鳴る中低音に魅了されます。
まるで軽いソプラノであるかのような歌い方で、しっかり中低音が響くのは、確かに持っている楽器が素晴らしいこともあるとは思いますが、いかに低音こそ軽く鼻歌でも歌うかのように出さないと響かないかを教えてくれる演奏ではないでしょうか!

 

 

 

 

 

サンサーンス サムソンとダリラ Mon coeur s‘ouvre à ta voix

 

 

こちらは2019年の演奏。
2013年の時に歌っていた時と比べてどこが違うのでしょうか?
響きの質がどのように変わったかをしっかり聴いてみて頂きたいと思うのですが、
この演奏では歌唱が安定してきた分だけできていないことも明確になっています。

例えば、”a”母音と”e”母音の響きの質が時々横に平べったくなりそうになったり、
”i”母音で空間の狭い硬い響きになったりということが起こっていることがあります。
ですが、ハマった時の声は本当に魅力的で、まだ30代半ばという年齢を考えれば、これからまだまだ成熟して良い声になっていくことが期待できます。

 

 

 

 

Olga Borodina

こちらはボロディナが50歳の時の演奏。
シドラウスカイテの持っている声はやっぱりボロディナに似てませんかねぇ。

ただデカい声、立派な声というのではなく、深さと太さがありながら響きに高さと広がりがある。こんな声を持った歌手はそうそう出てきません。

 

 

 

 

マーラー リュッケルトの詩による歌曲 Ich bin der Welt abhanden gekommen

 

やっぱりマーラーのリュッケルトリーダーは軽い声より、こういう深い声で歌われた方が味わい深いですね。
更に、フランス語よりドイツ語を歌った方が響きの質が揃っていて、ピアノの表現でも声の緊張感を失うことなく、ただ音が小さいのではなく、張りつめた緊張感のある弱音を聴かせています。
こういう演奏を聴くと、オペラだけでなくコンサート歌手としても高い適正を持っていることがわかります。

 

この通り、声だけでなく表現の部分でも着々と実力をつけ、持っている楽器が素晴らしいことには異論の余地がありません。
これだけの才能が未だにリトアニアでしかほぼ活躍していないのが不思議なくらいなのですが、レパートリー的にも幅広く、近い内に世界的な活躍をする歌手になることでしょう。
是非とも注目してみてください。

ちなみに、ソプラノアリアを歌っている映像を最後に紹介します。

 

 

 

 

ベッリーニ ノルマ Casta Diva

この映像だけ見ればソプラノと勘違いしてしまいそうですね。
そのうちイゾルデとかも歌うようになるのでしょうか?
2020年の最初に紹介する歌手を探すのに苦労しましたが、
これだけの可能性を秘めた歌手であれば皆様にも納得頂けるのではないかと思います!

 

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