Claudia Mahnkeのリーダーアーベント

Claudia Mahnke(クラウディア マーンケ)は1967年、ドイツ生まれのメゾソプラノ歌手。

 

ワーグナー作品の上演には欠かせないタイプのメゾソプラノで、フランクフルトを中心に活動しており、トリスタンとイゾルデのブランゲーネ役や、シェーンベルクのグレの歌のソリストとして来日もしていますし、バイロイトにも出ていますから、ワグネリアンにはお馴染みの歌手と言えるかもしれませんが、そうでない方はあまりご存じないかもしれません。

劇的な中音域~繊細な高音を使いこなし、いわゆるアルトっぽい太い声は使いませんので、
聴く人によっては、ソプラノのようにも感じるかもしれません。
このような声をドイツ語で「Zwischenfach」、メゾとソプラノの中間のような声をもった声と言います。
今回はそんなマーンケのリサイタル映像がフランクフルト州立歌劇場のアカウントからアップされたので紹介したいと思います。

 

 

 

 

ベルク、コルンゴルト、デュパルクの歌曲を中心に歌っています。
フランス物を歌っているのは初めて聴きましたが、音色がクリア過ぎて色気はないものの、歌の上手さは今更言うまでもなく素晴らしいですね。

フランス物に関して言えば、私なりになぜフランス歌曲っぽく聴こえないか考えた結果として、
微妙に、本当に微妙に声を押してしまう癖があることだと思います。

音を出してからそのまま、ちょっとだらしなさがあるような、力の抜けた響きが欲しいところでも、全部鋭くカンカン当たった声になってしまう。
特に”i”母音はドイツ語なら良いけど、フランス語やイタリア語を歌うには硬すぎる。

同じメゾソプラノでも、フランス歌曲の名手、ドゥルエの歌唱は対照的です。

 

 

isabelle druet

低音ではやや作ったような、詰まり気味に聴こえなくもない時がありますが、
弱音での表現では、ドイツリートの一本新の通った表現とは違う、浮遊するような空気に声が溶けていくような感じが見事に伝わります。

細かいことを言えば、デュパルクは印象派の作曲家には分類されないので、フランス歌曲と言えど、ドビュッシーとはアプローチが異なるのかもしれませんが、今回はソコは突っ込まないでくださいませ。

 

 

 

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マーラー 大地の歌

テノールのスケルトンがかなりボロボロなのですが、
アルトソロのマーンケは対照的な歌唱を聴かせていますので、2・4・6曲目だけでも聴く価値があります。

ただ、あえて言えば、こちらの演奏はリサイタルに比べるとマーンケの魅力が伝わる演奏とは言えないかもしれないかもしれません。
その理由はテッシトゥーラで、アルトソロのために書かれたこの曲は、ちょっと彼女にとっては低いので、長所である繊細な中音域~高音があまり生かせない。

 

今回紹介した映像の中では、個人的にコルンゴルトの歌曲が一番気に入りました。
アンコールで歌われた 5つの歌曲から「Glückwunsch」(49:38~ )
親しみやすく美しい旋律を実に丁寧に、格調高く歌っています。

 

まだまあ演奏会が再開されるには時間が掛かりそうではありますが、
徐々に劇場も秋からの予定を発表し始めました。

 

Oper Frankfurt

のYOUTUBEアカウントは、声楽曲を中心にこのところ精力的にこのような音源をあげているので、興味のある方はぜひご覧になってみてください。

 

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