ドイツで活躍されている若手テノール歌手 吉田志門さんインタビュー その②

先週に引き続き、ドイツで活躍されているテノール歌手、吉田志門さんへのインタビューの二回目をお送りいたします。

 

 

 

吉田志門さんインタビュー②

 

 

まだ初回をご覧になっていない方は、まず以下からご覧ください。

 

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ドイツで活躍されている若手テノール歌手 吉田志門さんインタビュー その①

 

 

今回、志門さんにお話頂いたことは大変重要なことが含まれていると思います。
と言うのも、当然ですが、プロとして生きていくには、ただ勉強しているだけではだめなのですね。

しかし、今の日本の音大の現状は、大学を出たら大学院、二期会、藤原、新国、サントリーホールオペラ・・・etc、といった研修所にいくか、人によってはコンクールで上位入賞して留学する。という道を選ぶのが殆どです。
そこを出たら後も似たようなプロセスの中で、オーディションやコンクールをこなして、なんとなく仕事が増えていってプロと呼んでも恥ずかしくないところになってる。
といった感じで、固定給が貰えるところなんて、私の知る限りでは東京混声くらいしかないように思います。

このような環境で、学生が何歳までにどこまで到達して、もし無理だったらきっぱり諦めて他の道へ行こう。
などという目標を明確に定めることができるでしょうか?

私は記事の中で、いい加減なことを教える声楽教師について批判的なことを書くことがありますが、
今の日本の現状では、何であれ教えないと生活していけないので、全然知らないレパートリーだろうと、酷い場合はキリル文字が読めないのにロシア語の曲をレッスンで教えてしまうということが起こってしまうのですね。

そうなってくると、下手をすれば手に職をもって、心にも金銭的にも余裕のある人が歌を勉強した方が、技術的に伸びる可能性があるのではないか?

ということも当然あり得ることで、私はそういう意味でも、日本はアマチュアの人が上手くなることで、プロのレベルの突き上げが起こってくることを期待する以外、現状で日本の声楽レベルを上げる手段はないのではないかな。と今回のインタビューを通してより強く感じました。

志門さんが仰っていた、
先生が雲の上の人で、生徒はずっと下にいて対等に音楽をやっていない。
こんな状況もおかしなことなので、アマチュアで歌っていらっしゃる方は、ご自身が上手くなることが、大げさではなく、日本の声楽文化を豊にすることに貢献している。
という気持ちを持って歌い続けて頂けたらいいなと思います。

 

 

最後に、志門さんおYOUTUBEチャンネルはとても参考になるので、
皆様も是非ご覧になってみてください。

 

吉田志門さんのYOUTUBEチャンネル

ボイトレ担当大臣ベルリン支局Shimon

 

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