魅力的な若手歌手が集うLiederabend

この演奏会に出演している歌手陣
総じてレベルが高い!

 

 

まず最初に歌うErin Rognerundというノルウェーのソプラノ歌手 04:31~と1:03:15~
調べても経歴が出て来ず、他の演奏動画もYOUTUBE上にはなさそうなのですが、
語り掛けるような柔軟なフレージングと呼吸で、
「リートはこう歌って欲しい!」
と私が思う通りの、痒い所に手が届く演奏とでも言えば良いのでしょうか?
とても魅力的な演奏で、もっと色々な演奏を聴いてみたくなる歌手です。
単純に声だけで言えば、あまり言葉を喋る曲ではないというのもあったのかもしれませんが、フランス語の場合はそこまで気にならなかったのですが、ドイツ語の時に”e”母音で横に平べったくなってしまう癖が散見されたので、母音によって響きのポイントが微妙にブレるところが解決されると、持っている声と音楽性は確実に素晴らしいので、コンサート歌手として有名になることもあるかもしれません。
個人的に、もっとこの人の歌が聴きたいと思える歌手は久々に出会いました。

 

 

英国のソプラノ歌手Sarah Gilford 14:50~
メゾソプラノのような深く味わい深い響きの低音がとても魅力的で、アリアを歌っている時より全然個人的には良いなと思えました。

 

 

深い低音域からは想像もできない軽い高音を出す歌手で、どっちの声が魅力的かと聞かれれば私は迷わず中低音と回答します。
高音は上半身だけの響きになってしまって、ちょっと鼻寄りに固めた感じの声になってしまっています。

エリーザベト・クールマンのように、ソプラノに近いメゾになった方が彼女の声の可能性は広がるのではないかと思ってしまうのは私だけでしょうか?

 

 

Elisabeth Kulman

 

 

 

米国のバリトン歌手、Jacob Scharfman 30:35~

無茶苦茶フォームが綺麗で、米国の歌手=デカい声命。みたいなひと昔前のイメージと、最近の若手歌手は随分と変わってきたなと思います。

 

全部の音が力任せではなく、良いテノールの高音のような芯のある輝かしい響きにハマっていて、
どの発音にも響きのブレがない。
太い声を細く使う技術と言えば良いのでしょうか?
持っている強く太い声を、10割の力で鳴らすことはせず、半分程度の力で見事に制御している感じがします。
この声と容姿と音楽性なら将来的にスター歌手になっても不思議ではないですね。

 

 

上記3人の歌手が特に素晴らしいと思ったので取り上げましたが、
他にも良い歌手はいましたので、リートに興味のある方は是非全部聴いてみてください。

 

ちょっと愚痴になってしまいますが、
ヴェローナ音楽祭がめでたく今年で100回目の公演を迎えるそうなのですが、
そのキャストがネトレプコ夫妻で、しかも世界に生配信されるらしい。
というニュースを見て、イタリアの伝統ある音楽祭まで、あの夫妻を記念となる公演に起用するようになったのか。
と、新年早々暗澹たる気分になっているところでした。

こうなってくると、大劇場や大きな音楽祭のキャストに対する期待感がいっそう減衰していく一方、今回紹介した演奏会のように、知名度はなくても素晴らしい歌手は探せば沢山世界にいることも事実で、今年も例年通り、あまり有名でない歌手の紹介と併せてスター歌手批判的な記事を書くことになることは避けられないかもしれません/(^o^)\

 

 

 

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