Le Concert de Paris et les Feux d’artifice du 14 juillet 2020

ヨーロッパはフランスやドイツなどの一部都市で再度ロックダウンのような状況になり、
イタリアも劇場が改めて閉鎖されるという事態になっているのですが、

今回は恐らく黙って言うことを聞くような人は減るのではないかと思われます。
と言うのも、リッカルド ムーティがカンテ首相へ劇場再開要請を行っているのです。

 

ローマ発 〓 ムーティがコンテ首相に劇場再開を求める公開書簡

 

「感染者が増えてるから仕方ない!」
と考えることは、国に理性と自由を放棄して身を任せるのも同然の所業であり、
その結果として、今年の春先にロックダウンを行っていたフランスや英国、米国の一部都市では多大な被害を出しました。

ロックダウンを行ったが故に、持病を持った人が医療機関へ行くことを控え、運動が必要な人が家に閉じこもったことによって身体的、精神的な健康状態を著しく悪化させたことが原因です。

これは私の憶測や妄言ではなく、

「コロナだけが原因の死者は6%」が浮き彫りにした、米国民の健康事情

という明確な結果が出ているのです。

 

さて、本題から外れてしまいました。
今年フランスで行われた数少ない秀逸な演奏会の模様がYOUTUBE上にアップされていたので、それを紹介しようと思ったところ、ヨーロッパでは数々の演奏会が来春頃までキャンセルされるというニュースが連日入ってきているため、このような前置きをいたしました。

 

 

Le Concert de Paris et les Feux d’artifice du 14 juillet 2020

Hector Berlioz – “La Damnation de Faust : Marche Húngara”.
Edith Piaf – “L’Hymne à l’amour” (intérprete : Sonya Yoncheva, soprano)
Georges Bizet – “Les Pêcheurs de perles : Au fond du Temple Saint…” (con el barítono Ludovic Tézier, baryton y el tenor Benjamin Bernheim)
Piotr Ilitch Tchaïkovski – Concierto para Piano n°1 (extracto), con Khatia Buniatishvili al piano.
Giuseppe Verdi – “Nabucco” : Coro “Va pensiero”.
Leonard Bernstein – “West Side Story : Tonight, I feel pretty”, con Lucienne Renaudin Vary, trompeta.
Léo Delibes – “Les Filles de Cadix”, con Fatma Said (soprano).
Ludwig van Beethoven – Obertura Egmont.
Charles Gounod – “Roméo et Juliette : L’Amour… Ah lève-toi soleil” con el tenor Benjamin Bernheim.
Charlie Chaplin – “City Memories” con la violinista Lisa Batiashvili.
Édouard Lalo – Concerto pour Violoncello n°2 III. Andante-Allegro Vivace co la cellista Sol Gabetta.
Alfredo Catalani – “La Wally : Ebben ? Ne andrò lontana”, con Sonya Yoncheva (soprano)
Georges Bizet – “Carmen” : Entreacto del Tercer Acto.
Giuseppe Verdi – “La Traviata” : Coro de las gitanas”.
Charles Aznavour – “La Bohème”, con el barítono Ludovic Tézier.
Wolfgang Amadeus Mozart – Concierto para Piano n°23. Andante, con Khatia Buniatishvili al piano)
José Serrano – “La Canción del olvido”, con Fatma Said (soprano)
Maurice Ravel – Boléro, en arreglo de Didier Benetti.
Claude Joseph Rouget de Lisle / Hector Berlioz – La Marseillaise Estrofas 1 y 7 con Angélique Kidjo.

 

 

声楽曲ばかりではありませんが、出ている歌手が凄い!

 

ソプラノ:Fatma Said、Sonya Yoncheva,

テノール:Benjamin Bernheim

バリトン;Ludovic Tézier

 

全員が現代最高レベルの歌唱ができる人が揃っていて、外れがいないというのがこの演奏会の素晴らしいところですね。

曲はエディット・ピアフみたいなのもあれば、王道と言えるアリアや重唱もありで、単純に楽しめる内容ではないかと思います。

 

サイドも良い歌手なんですが、やっぱりヨンシェヴァが素晴らしいですね。
多くの上手い歌手と、一流の歌手の違いが何かを一言で説明することは不可能かもしれませんが、
少なくとも響きが前にあるのに深い奥行もあって厚みもある、
にも関わらず軽さもあって質の高いレガートで歌える。
というような様々な矛盾した要素が備わっているのが一流歌手の声ではないかと思います。

ヨンシェヴァも、トスカのようなドラマティックな役を歌いながらも、ピアフのようなシャンソンも違和感なく歌える。この柔軟でありながらも芯がある高音は一流歌手のソレと言って良いのではないかと私は考えています。

 

そしてテノールのベルンハイム
喋っているかのような自然で余計な力みのない発声でありながら、どの音域、発音でも無理なく響く。
決してバリバリ鳴るような、いかにも声量がありそうな声ではないのですが、
研ぎ澄まされた切れ味鋭い刃の如く、歌唱に全く無駄がない!

ベルンハイムは日本人の多くのテノールがお手本とすべき歌手だと個人的には思っていまして、
声に太さがなく、それこそトゥーランドットのようなアリアを朗々と歌うような声を持っている人なんてそうそういませんので、変に深く重い響きを求めず、喋るような自然さで、軽く鋭い響きを求めていく方が、骨格を考えても利に叶っていると思うのですが、
こういう声を求めると、喋るように歌うのではなく、鼻の方に響きを集める方向にいってしまうのがなんとも難しいところです。

勿論テジエーも名実ともに現代トップクラスのバリトン歌手ですし、
よくこれだけ秀逸な歌手陣を揃えたなと驚かされるキャストでした。

そこに、人気女流ピアニストのブニアティシヴィリまで出てるのですから、一聴の価値はあるというものでしょう。

 

 

 

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