フェニーチェ座のロッシーに小ミサのソリストが豪華な件

今年の11月22日にライヴ配信されたらしい、フェニーチェ座のロッシーニ、小ミサ(Petite Messe Solennelle)が中々味わいのある演奏なので、紹介しようかと思います。

 

 

Gioachino Rossini – Petite Messe Solennelle (Coro del Teatro La Fenice)

soprano Carmela Remigio
contralto Cecilia Molinari
tenore Antonio Poli
basso Alex Esposito

02:25 Kyrie
05:17 Christe
06:50 Kyrie
09:27 Gloria in excelsis
11:47 Gratias
16:12 Domine Deus
21:35 Qui tollis
29:14 Quoniam
36:26 Cum Sancto Spiritu
43:13 Credo
47:37 Crucifixus
51:43 Et resurrexit
56:22 Et vitam venturi
1:01:37 Prélude religieux
1:09:27 Sanctus
1:14:33 O salutaris hostia
1:20:53 Agnus Dei

 

エスポジトは相変わらず良い声なんですが、
結局レミージョのアンサンブル能力の高さといったらやっぱり凄い。

この人の声は芯があってはっきり大勢の中でも声が聴こえるのに、周りの音と調和するんですよね。

コントラルトのモリナーリも声に頼らない、むしろソプラノのような軽い声の歌手だと思ったら、コントラルトと言うより、完全なロッシーニメゾのようですね。
2013年にロッシーニ、ベルカントコンクールというコンクールで優勝しているらしく、その後はイタリア中心にロッシーニ作品を歌い、来年はスイスやオランダでモーツァルトの皇帝ティトの慈悲やドニゼッティのアンナ・ボレーナを歌うようです。

 

 

 

ロッシーニ タンクレーディ di tanti palpiti

発音を前でさばけていているのは素晴らしいですが、
全体的にチリメンヴィブラートが掛かってしまっていて、真っすぐに声が飛ばないのが本当にもったいない。
この演奏から比べると、今回のミサでのソロではヴィブラートが掛からずに真っすぐに歌えていて素直に耳に入ってきます。
その一方で、コントラルトと書かれてしまうと低音はもっと鳴って欲しいところで、私にはソプラノがメゾを歌っているように聴こえてしまう。
一番終曲のおいしいところを持っていくのですが、ピアノ伴奏にも関わらず合唱が入ると声が消されてしまうのを聴くと、物足りなさは否めないかもしれない。
それこそ、ドラマティックなメゾが歌う方が栄える曲ですからね。

 

 

 

 

こっちの演奏は、現在最高のドラマティックメゾの一人、Veronica Simeoniが歌っているので、シメオーニとモリナーリを比較すると、モリナーリの声は高い響きに聴こえて実はまだまだ一流の歌手の響きのポジションではないことがわかります。

一方で、こちらでソプラノのソロを務めているMaría José Morenoですが、
もう一方でソプラノのソロを歌っているレミージョと比較すると圧倒的に響きのポジションが低く、レガートも甘い。
レミージョのブレスコントロールの上手さは現代のソプラノでも最高レベルではないかと思います。

空間に溶けるようなピアニッシモの表現から突き刺さるようなアタックの効いた強い高音までを自在に操る技術と、寸分違わぬピッチの良さは、モーツァルトのオペラと宗教曲で特に良さが発揮されるように思います。
比較的来日もしているしもっと日本で人気あっても良いと思うんだけど、レミージョを礼賛してる人ってあまり見かけないのはなぜだろう・・・。

 

 

 

CD

 

 

 

3件のコメント

  • メグ より:

    コントラルトというのを知らなかったので
    ネットでしらべましたが、
    ceciliaさんはそこそこですが、
    女性の低くて深い声はとても魅力的ですね✨

    • Yuya より:

      メグさん

      コントラルトはアルトと同義と思って貰っても良いと思います。
      コントラルトで有名な人と言えば、頻繁に来日もしていて絶対ドレス来て歌わないnathalie stutzmannでしょうか。
      個人的にお勧めなコントラルト歌手はSONIA PRINAですかね。

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