次回はブルガリアの歌手を特集します!

以前リクエストがあったこともあり、次回はブルガリアの歌手を特集しようと思います。
とは言え、この企画は結構長くなってしまうと思うので二の足を踏んでおりました。

ブルガリアは名歌手の宝庫でして誰を選ぶか正直難しいので、ソプラノだけで2回に分かれるかもしれません💣
メゾやバスにも有名な方がいますから尚更です・・・が、テノールは全然知らないので、これから色々調べてみようと思います。

 

そんな訳で、ブルガリアの歌手の演奏を探していたところ、名演をYOUTUBE上で発見したので紹介しようと思います。

 

ドニゼッティ 愛の妙薬(全曲)

<キャスト>

Adina: Svetla Vassileva
Nemorino: Aquiles Machado
Belcore: Gabriele Viviani
Dulcamara: Ildebrando D’Arcangelo
Giannetta: Serena Gamberoni

 

 

 

 

 

マチャードはあまり好きな歌手ではなかったのですが、この2004年の演奏は、熱っぽさと軽やかさのバランスが見事で、高音の特に”a”母音が鼻に入り気味にはなるものの全体的に声の輝かしさは当時のテノールとしては一級品で、キャラクターとしても魅力的なネモリーノだと思いました。

その他イタリア人の低声2人は実力派のダルカンジェロとヴィヴィアーニなので安心して聴いてられる見事な演奏。
華がある訳ではないですがこういう歌手がいると演奏が引き締まりますし、やっぱイタリア人歌手のレベルは高いよなぁ。と改めて感じさせられます。

そして、ブルガリア出身のヴァシリエヴァ。
重めのリイコな役。プッチーニのトスカやマノン・レスコー、蝶々さんといったレパートリーを歌っているイメージの歌手だったのですが、若い頃はリリコ・レッジェーロの役歌っていたんですね。
恥ずかしながら知りませんでした。そしてこのアディーナの演奏は技術的に文句なく、声にやや影があるところがまた良いですね。

高音が輝かしく、中低音の声には深さがあるタイプではないので、こういう役の方が声としてもレパートリーに合っていたのだと理解しました。

ここでのアディーナとネモリーノは何と生き生きした演奏であることか!
声の輝かしさと音楽の軽快さが終始失われず、本来ならカットされる部分もノーカットだったり、高音を出す部分を楽譜通り歌ったりしているので、物足りなさを感じる人もいるかもしれませんが、終始音楽が途切れず聴いていて全然疲れを感じない。

ただ声が素晴らしい歌手の演奏では、聴くのにも体力を消耗することがありますが、
この演奏はただただ心地よく聴くことができる。
数ある愛妙の演奏の中でも名演と言って差し支えないのではないかと思います。

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