今年のバイロイトの主役テノールの交代ラッシュが酷い

昨年、
ヨゼフ カレヤが来シーズンのバイロイトのパルシファルだと!

と書いたのですが、案の定と言うべきか、カレヤが出演キャンセルして、アンドレアス・シャーガーが歌うことになりました。

 

 

バイロイト 2023 パルシファル

 

 

 

 

現在カレヤの降板理由を探しても情報がヒットしない状況で、
カレヤ以外にも、トリスタンと、黄昏のジークフリートを歌う予定だったグールドも降板するとのことですが、この情報も殆ど出てこず、公開されている公園スケジュールでもキャスト変更についての情報が更新されているものが見当たらないので、彼らの鋼板がかなり直前になって決まったことであることがわかります。

それにしても、カレヤがパルシファルは最初から無理だと思っていたので、この鋼板は邪推になりますが、直前になって歌えなかったから交代になったのではないかと思わざるを得ません。

と言うのも、OPERA BASEで彼の公園スケジュールを見ても、
なぜかバイロイトの予定が消えている。

5月のコンサートをキャンセルしていることから、もしかしたらこの時期に調子を崩して勉強が間に合わなかったという可能性もあるかもしれませんが、どちらにしても、カレヤ本人より、カレヤをバイロイトで、しかも主役で起用しようとした運営側の問題が大きいように私は思います。

今や困ったらシャーガー、グールド、フォークトでテノール回してる感じのバイロイト。

上記に挙げたようなヘルデンテノール(私はフォークトをヘルデンとは認めていませんが)の中に、ロベルト・アラーニャみたいなドイツ物歌わないスター歌手をキャスティングして、結局鋼板ということもあったことで、余計に今回のカレヤの鋼板は、やっぱりこうなったか。という思いが強い。

それでも運営側は、普段ワーグナーを歌わないスター歌手をバイロイトに呼ぶことを諦めていないらしく、2025年にも、マイスタージンガーのヴァルターに、マイケル・スパイレスを起用する予定であることが発表されたのでした。
バイロイト音楽祭はワーグナーのスペシャリストが集うんじゃなかったのか?

スパイレスのワーグナー演奏については、トリスタンの一部を歌った映像がYOUTUBE上にあり、そちらは悪くない演奏なので、ヴァルターであれば大丈夫かなとも思う一方、何と言ってもフランス語のローエングリンのアリアの音源があり、この演奏はちょっと・・・な感じなので。スパイレスのワーグナー演奏はまだはっきり良いとも悪いとも判断が難しい。
後2年で素晴らしいヘルデンに生まれ変わるのだろうか。

 

 

 

今年鋼板した主役テノールはカレヤだけでなく、
前述の通り柱であるグールドもでして、
グールドが請け持ったタンホイザーがフォークトに、黄昏のジークフリートがシャーガーに流れるという展開に・・・。

一人に仕事任せすぎて、病気になったら会社が大変なことになるような感じを連想させるのですが、
トリスタンを振られたのは流石に違う歌手で、
クレイ・ヒレイ(clay hilley)という米国のテノールでした。

 

 

 

 

 

ヘルデンテノールとして評判は良いようなのですが、
正直グールド同様不自然に押した硬い声なので好きではありません。

一緒に歌っているテオリンの響きと比較して明らかに広がりがなく、声量はあるのかもしれませんが、オケとぶつかり合ってしまう声で調和しない。
なぜこの歌手がそこまで評価されているのか私にはわかりません。

 

こんな感じで、今年のバイロイトのドタバタが酷い感じになっています。
指揮者はかなり新陳代謝が激しいのに、歌手陣、特に主役テノールは中々そうはいかないというのを見ても、そもそもワーグナーを歌うことがどれほど困難かがわかるのですが、それでも優れた若手歌手は出てきているので、ドイツ物を歌わないスター歌手呼ぼうとするのではなく、もう少し流動的で視野を広げたキャスティングをしてほしいものです。

ソプラノでは昨年、オランダ人のゼンタ訳で、エリーザベト・タイゲ(Elisabeth Teige)がグリゴリアンに代わって出演し、今年はタンホイザーでエリーザベトを歌っていますし、タイゲはドイツ物を得意としていたソプラノだったことからも良い起用だったと思うが、テノールとソプラノでは事情が違うのかもしれません。

ということで、こういう部分からも改めてヘルデンテノールという声種がいかに特殊であるのか、再認識させられました。

 

 

3件のコメント

  • ヤマアラシ より:

    いつも拝見させていただいております。

    グールドの記述があったので、、、

    余命10ヶ月との宣告とは、、、  残念です。

    先日突然の引退発表でしたのでどうしたものかと思っていたのですが、、

    https://m-festival.biz/38106

  • ヤマアラシ より:

    いつも拝見させていただいております。

    グールドが突然の引退との事で心配だったのですが、何とも残念でなりません。
    グールドの言葉、本当に辛い現実です、、、

    • Yuya より:

      ヤマアラシ様

      情報ありがとうございます。
      ヘルデンテノールは特に負荷が掛かりますし、
      ヨハン・ボータが急逝してしまった時のことを思い出してしまいました。

      グールドの胆管がんの原因がどのようなものかはわかりませんが、
      慢性的な胆のう炎、胆石などが原因だとすると、体格的にも食生活に問題があったのかもしれません。
      ああいった声は本当に命を削って出しているのだとしみじみ感じてしまいます。

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