音源が少ないながらも気になるソプラノ歌手

ちょっとづつ情報を調べられるようにはなったものの、中々はかどらず、記事にするにも手間が掛かっている上に、
気になった歌手は音源があまりないというのが現状だったのですが、それでも一応記録として記事にしておこうかと思い書くことにしました。

 

まず紹介するのは、

Lies Vandewege(リース ヴァンデウェイジ)。
ベルギーのソプラノ歌手。

ベルギーは名前の読み方フランス語読みで良いのかな?
などと考えると、カナが間違っているかもしれませんが、その時はご了承ください。

 

彼女はアントワープ王立音楽院でBernadette Degelinというソプラノ歌手に師事し、2007年に優秀賞を受賞しました。

ちなみに、Bernadette Degelinという歌手の音源が一つだけYOUTUBE上にありました。

 

 

なるほど、癖がなくて透明感のある、素直な歌唱をする歌手ですね!

 

2008年以降の経歴は、彼女のHP以外ではあまり詳細がわからないのですが、モネ劇場でデビュー後、そこで歌い続けているようです。ようです。
そのほかの活動でも、ベルギー国内の管弦楽団との共演で、国外での活動はされていなそうです。

レパートリーについては、パーセル、モンテヴェルディのようなバロックとモーツァルト。

更にロマン派以降はフランス、ドイツのオペレッタ。
ベルリオーズ、グノーの作品にワーグナーやヴェルディまで、実に広い時代の作品を歌っているようです。

 

ワーグナー ローエングリン   Einsam in trüben Tagen,

 

https://www.youtube.com/watch?v=vwLHnP7L77c

 

動画がアップされた日時から考えると、恐らく2019年~2020年の演奏になるのではないかと思います。
2007年に音楽院を出ていることから、リースは30代前半の演奏と考えて演奏を聴いていることを記載しておきます。

 

 

 

モーツァルト フィガロの結婚 E Susanna non vien – Dove Sono

 

 

マスネ マスネ エロディアーデ Il est doux, il est bon

https://www.youtube.com/watch?v=WvckbEQkOfc

 

 

まだ全体的に線が細く、発展途上の声という印象はあるものの、悪い癖がなく、響きの質が洗練されていて、母音も整っている。

フィガロの結婚のアリアでは、再現部に入ってから(3:25辺り~)、ブレスが浅くなって上ずった声になってしまい、4:20~4:35でかなりキツそうな歌い方になっていますが、そこを除けば、エロディアーデのアリアなんかは安定感のある演奏で、フィガロの演奏は体調の問題もあるのかな?と思えなくもありません。

何にしても、音源が少ないため、彼女の声を判断するには情報が少なすぎるのと、最近の演奏がないので、今後音源がアップされることがあれば、改めてちゃんと記事にできればと思います。

 

もう一人は、野口 真瑚(のぐち まこ)さん

プロフィールはココより転載
京都府出身。大阪音楽大学声楽専攻卒業。卒業時に最優秀賞受賞。同大学院声楽研修室オペラ系修了。第74回全日本学生音楽コンクール第1位、横浜市民賞、佐々木成子賞受賞。第11回東京国際声楽コンクール第1位受賞。その他コンクールで多数入賞。オペラでは、《フィガロの結婚》伯爵夫人、《秘密の結婚》エリゼッタ、《ドン・ジョヴァンニ》ドンナ・アンナ、《ヘンゼルとグレーテル》ヘンゼル、《アンナ・ボレーナ》アンナ・ボレーナなどを演じる。オペラ以外に第九のソリストも務める。国外では、ブルガリア国立スタラザゴラ歌劇場で開催された「オペラアリアと日本歌曲のガラ・コンサート」に出演。これまでに声楽を北田玉代、荒田祐子の各氏に師事。

 

何か月か前に偶然ラジオで彼女の歌声を耳にして気になっている歌手なのですが、YOUTUBE上には残念ながら音源がかなり古いのが幾つかあるのみで、ソロで歌っているのは以下の一本だけです。

 

ヴェルディ 椿姫  È strano…! 他

 

中低音に深みがあって、高音まで引っ張れる。
それでいて重い声にならず、発音にも癖がない。
久々に日本人のソプラノ歌手で生演奏を聴きに行きたいと思えた歌手がこの野口さん。

本当は単独でしっかり記事にしたいところなんですが、何分音源がYOUTUBE上にないため、実演を聴いてから評論として書こうと思っている間に、私自身が自由に演奏会へ足を運べるような状態ではなくなってしまったので、こういうかたちで紹介することにしました。

動画の演奏が3年くらい前のものなので、ここでは細かい分析は避け、最近の演奏を耳にする機会があれば、改めて野口さんの声を分析してみようと思います。

 

 

以下は入院中のことをツラツラ書くので、
声楽とはあまり関係ないことも含まれます。

 

3月上旬から約3週間入院していたのですが、
その間、ほぼ失明状態で、何もやれることがなく、持ってきたプレーヤーもPCでしか充電できないモノだったのですぐ充電が切れてしまって、友人がラジオを差し入れてくれるまでは時間を持て余し、良くないことばかり考えてしまう日々でした。

そんな生活を送っている中で、ラジオから偶然流れてきた弦楽四重奏の第三楽章を耳にした時、金縛りにあったように全身が動かなくなり、全ての音が聞こえているようでいて、無音になったような、そんな錯覚に陥りました。

 

その曲はベートーヴェンの弦楽四重奏曲 OP132 イ短調

3楽章は21:40~です。

普段、弦楽クァルテットを聴くことがないので、恥ずかしながら初めてこの曲を耳にしたのですが、退院後この作品について調べてビックリしました。
と言うのも、作品の説明は

 

この作品は1825年に作曲され、5楽章で構成されており、特に第3楽章は
「リディア旋法による、病より癒えたる者の神への聖なる感謝の歌」

と題されています。
これはベートーヴェンが体調を崩した後、回復したことを神に感謝する意味が込められています。

とのこと!

やっぱりベートーヴェン大先生の音楽に帰ってくるんだな。
と思いました。
初めて後期ピアノ ソナタを聴いた時と同じような衝撃をこの歳になっても味わえるなんて。
困難に打ち勝つとかそういうのではなく、どうやっても乗り越えられない障害を受け入れ、それでも前に進もうとする者の音楽が後期の彼の作品の特徴だと思うのですけど、この曲はその典型的な例ではないかと思います。

 

その一方で、真逆と言って良いロッシーニの音楽にも力を貰いました。
ロッシーニクレッシェンドを聴いて何も感じなくなったら、自分はもう音楽を聴いたり演奏することはないだろう!

体調が良くない時というのは、何かと神経が過敏で、声に対して私は普段以上に色々気になってしまって、あまり声楽作品を聴くことができなかったのですが、
そんな中でも、Santiago Ballerini
の歌うロッシーニは誇張がなく、とても自然に歌えていて、改めて彼の技術に感服しました。

 

ロッシーニ アルジェのイタリア女 Languir per una bella

高音を高音と感じさせない。
それでいてファルセットになっている訳ではない。
本当に洗練された発声技術で歌っている素晴らしいテノールだと思います。

 

こういった音楽に力を貰ってなんとか入院生活を乗り切って、
現在の療養生活も徐々に落ち着いてきた訳ですが、
まだ安定した訳ではなく、調子が良い時に少しづつ文章を書いていて、調子が悪いと画面がまだまだ殆ど見えないような状態なので、これからも記事はあまり更新できないと思いますが、気長に読んでいただければ幸いです。

今後ともよろしくお願いいたします。

 

 

 

2件のコメント

  • KK より:

    こんにちは。
    無理はせずお体お大事にお過ごし下さい。
    野口 真瑚さんは現在新国立劇場のオペラ研修所の研修生なので、研修所の公演に度々出演されており、何度か聴いています。
    3月にはプーランクの「カルメル会修道女の対話」でブランシュ役を歌われていました。
    癖のない伸びやかな声の持ち主で、まだ表現としてアクの強さや強烈なインパクトといったものは弱いものの、長身で華やかな雰囲気も相まって、今後内外で活躍されていくだろうな、と思わせる歌手でした。

    • Yuya より:

      KK様

      野口 真瑚さんの情報ありがとうございます。
      新国の研修所に在籍されていることは知っていましたが、実際にご覧になったんですね。
      私は中々演奏会に足を運べそうにないのですが、もし聴ける機会があれば、改めて記事にしたいと思います。

Yuya へ返信する コメントをキャンセル