地味ながら堅実な歌唱を聴かせる素晴らしいメゾソプラノAnna Reynolds

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Anna Reynolds (アンナ レイノルズ)1931~2014は英国のメゾソプラノ歌手。

ワーグナーの楽劇からバッハの宗教曲、ドイツリートまで広範囲なレパートリーで優れた演奏を残しました。
メゾソプラノとなっていますが、アルトに近い深く暗めの音色でありながら、
そこに暖かさがあり、味わい深い歌を聴かせる低声女性歌手の魅力を伝えてくれる人だと私は思っています。

 

 

 

マーラー 交響曲第2番(復活)

(Urlicht 43:37~)

 

<歌詞>

O Röschen rot!
Der Mensch liegt in größter Not!
Der Mensch liegt in größter Pein!
Je lieber möcht’ ich im Himmel sein.
Da kam ich auf einen breiten Weg;
Da kam ein Engelein und wollt’ mich abweisen.
Ach nein! Ich ließ mich nicht abweisen!
Ich bin von Gott und will wieder zu Gott!
Der liebe Gott wird mir ein Lichtchen geben,
Wird leuchten mir bis an das ewig selig Leben!

 

 

<日本語訳>

おぉ、小さな赤いバラよ!
人はこの上なく大きな苦難の中にいます!
人はこの上なく大きな痛みの中にいます!
いつか私は天国にいたいのです。
私は広い道にたどりつき
そこに天使がやって来て、私を追い返そうとしました。
やめてください!私は追い払われたりしません!
私は神のもとから来て、神のもとへと還るのだ!
愛すべき神様は、私に一抹の光を与えてくださる、
私を照らして永遠の幸せな生へと導いてくださるでしょう!

 

 

この曲は、ついつい苦しい時に口ずさんでしまう曲なのですが(笑)
それはさておき、レイノルズは今ではあまり聴かれなくなったようなたっぷりした歌唱で、時代を感じる演奏ではあるのですが歌唱技術は抜群です。

やや耳につくポルタメントはあるのですが、
ブレスの長さと響きの安定感。
深い母音でありながら明瞭な発音とピアノの表現。
どこを取っても神経の行き届いた声を出しているのがわかります。

 

 

 

ワーグナー 神々の黄昏 ブリュンヒルデとヴァルトラウテの対話の場面

レイノルズの低音は強さと太さがありながら、全く無理に鳴らしている感じがなく、
喋っているような自然さです。
それでありながら高音は硬質でドラマティックな力強さがある。
ジョーンズとレイノルズの英国人コンビの実力が遺憾なく発揮されている音源だと思います。

 

 

バッハ ロ短調ミサ Agnus Dei

https://www.youtube.com/watch?v=STboD0xzd-o

※上手くリンクが貼れなかったので、上記URLよりお聴きください

この演奏は本当に素晴らしいと思います。
豊な中低音の響きの中に圧倒的な説得力があります。
どの発音でも決して響きの質が変わらず、
息の流れだけで楽器が勝手に鳴っているような感覚なのでしょう。
どこにも無駄な力が入っていないのがわかります。

 

 

 


 

 

 

マーラー 大地の歌(全曲)
テノール Jess Thomas

1. I. Das Trinklied vom Jammer der Erde / The drinking song of Earth’ sorrow  0:00
2. II. Der Einsame im Herbst / The Lonely one in Autumm  8:00
3. III. Von der Jugend / Youth  18:00
4. IV. Von der Schönheit / Beauty  21:27
5. V. Der Trunkene im Frühling / Drunkard in Spring  28:43
6. VI. Der Abschied / The Farewell  33:42

 

メゾソプラノが歌うのは2・4・6曲目です。
歌詞をここに全部掲載するのは流石に長過ぎるので、
対訳はコチラなどを参照ください。

レイノルズの歌唱は、
どこを切っても平べったくなるような響きがなく、
無駄なヴィブラートもないことをみても
どのようなフォームで歌っているかは大体想像がつくのですが、
一つも歌っている映像が残っていないのが残念で仕方ありません。

表現的な部分では面白みのなさがないでもありませんし、
実際、発音の明瞭さはあるものの、言葉によって音色や歌い回しの変化が今ひとつ感じられません。
特に大地の歌ではそのような感じを強く受けます。
しかし、ロ短調ミサのような曲では、徹頭徹尾ブレない歌唱が圧巻の演奏を生んでいるのも事実で、
良い意味でも悪い意味でも、この上手いけど特徴のない歌唱が、レイノルズの実力相応の評価や知名度がないことにつながってしまっているのではないかと思います。

それでも、声楽学習者にとってはとても参考になる歌唱であることは間違えないので、
この場で取り上げることにいたしました。

 

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