Sonya Yoncheva(ソーニャ ヨンシェヴァ)1981ブルガリア生まれのソプラノ
今一番有名歌劇場のプリマとして引っ張りだこのソプラノではないだろうか。
元々はヘンデルやモーツァルトなどのバロック~古典作品を得意としていたが、
今ではかなりドラマティックな役まで歌っている。
こちらが現在の演奏
プッチーニ トスカからVissi d’arte (歌に生き恋に生き)
個人的には、まだ30代でこの声はちょっと危険かなと思う。
というのも、既に声が揺れはじめているし、発音がかなり不明瞭になっている。
響きの集まり方は流石だが、すでにディナーミクレンジが狭くなっている。
最後の聴かせ所の最高音を出した後、一流歌手なら最高のピアニッシモを聴かせなくてはならないが、
全く高音で音量をコントロールできていない。
こっちが去年のラモーの演奏
フランスバロックの作品にはこんな魅力や自由さがあったのかと思わせてくれる演奏である。
ただ、この地点で既に高音の抜け方は衰えが既に始まっていたのかもしれない。
こちらが、3年前の演奏
曲目は宗教曲でグノーのRepentir(悔悟)
無理なく呼吸するような発声、透明感のある音色、
多少中音域のビブラートは気になるが、高音は実に美しく伸びる声だった。
トスカと聴き比べて頂ければ、たった三年でまるで別の歌手のように聴こえるのではないだろうか?
さらに遡ってこちらが8年前の演奏
イタリアバロック、ペルゴレージの作品
これがちょうど30歳位の時の演奏である。
低音の表現、言葉の明確さ、声の透明度、どこをとっても一流
今後スター歌手になることを誰もが確信する演奏ではないだろうか?
それぞれの年代で、最高音を出している写真を比べてみると面白い
左から、8年前、3年前、現在の順番である
明らかに8年前の演奏のフォームが違う。
現在、3年前の演奏では頬筋をやたら引っ張っているのに対して、8年前は額二腹筋を引っ張っている。
どちらのフォームの方が良いかは聴いての通りである。
今後彼女がこのまま急速に声を失ってしまうのか、あるいはレパートリーやフォームを見直して復活を遂げるのか、
持っている楽器や表現は間違えなく素晴らしいので、これからの動向に注目していきたい。
お勧めCD
やはりこうやって聴いてみると、バロックが一番この人の声に合っている気がする。
ヴェルディアリアのCDよりは絶対にヘンデルをお勧めする。
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