Gabriele Viviani (ガブリエーレ ヴィヴィアーニ)はイタリアのバリトン歌手
最近のイタリア人バリトンには目ぼしい歌手が中々出てこない。
更に突っ込んで言えば、イタリア人の発声はかなり崩れている。
イタリア人というだけで、条件反射のように発声が良い。
バリトンでも高音も楽に出せる。
一言目には「ベルカント」という言葉を頭に思い描いてしまいがちだが、
それは過去の話で現状は残念ながらそうではない。
その証拠として、
一部の歌手を除いて、それなりに売れている(売れていた)
イタリア人バリトンの声を聴き比べて頂くのが、文字で説明するより分かり易いと思う。
ガブリエーレ ヴィヴィアーニ
ベッリーニ 清教徒 アリア~カバレッタまで
マルコ ヴラトーニャ
ヴェルディ オテッロ Credo in un dio
アルベルト ガザーレ
ヴェルディ 椿姫 Di Provenza li mar
https://www.youtube.com/watch?v=NPu4OTBSMa8
カルロ グエルフィ
ジョルダーノ アンドレア シェニエ Nemico della patria
ヴィヴィアーニの高貴で伸びやか、余裕があって暖かい音色に比べ、
ヴラトーニャは完全に詰まっている。いくらヤーゴ役でもこれはない。
イタリア人がこんな歌い方をしているのが現状だ。
そこから比べればガザーレはまだマシだが、それでも全然声が伸びないしレガートもできてない。
残念なことに、コレがそこそこ売れてるヴェルディバリトンの現状なのである。
最後のグエルフィについては、もうブッフォ バスか?と思うくらい表現のセンスもなければ声もない。
これだけ聴いても、イタリア人=発声が良い は幻想だと分かって頂けるだろう。
ヴィヴィアーニのような歌手がゴロゴロいるのかと思ってる方もいたかもしれないが、現状はそうではない。
なぜか昨年は、本来バスが歌う役である、
ドニゼッティ 愛の妙薬 ドゥルカマーラもやっている
立派な声だが、決して力みがなく、ずっと聴いていられる。
こういう声が本来のイタリアの声であったはずだ。
こちらの映像はやや力みが見られる部分もあるが、
奥さんであるオクサナ ディーカと共演している映像。
ヴェルディ 仮面舞踏会 レナート役(なおこの夫婦は来日して同じ役を歌っている)
高音には少々粗さがあるものの、中音域の安定感、言葉の明瞭さは見事である。
良いヴェルディバリトンが少ない
という声をよく耳にするが、正解は良いイタリア人バリトンがそもそも少ないのである。
もう、〇〇人だから上手い、あるいは下手。あるいは声が良い、悪い。という基準には全くならない。
それは日本人にも当然当てはまると思う。
正しい声を聴き分ける耳を養うことから、良い演奏家が育つ土壌は作られるであろう。
CD
今はドラマティックテノールとして重役ばっか歌ってるテオドール イリンカイがロドルフォを歌ってるボエーム
このオペラにしては重量級が揃っていると言える。
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