新国立劇場2019-2020シーズンの主要演目や演奏者について、
新国のYOUTUBEチャンネルで大野和士が解説をしているのだが、
このシーズンの女声キャストについて言えば、
大野に女声の良い声を判断する耳は残念ながらないと考えた方が良いかもしれない。
こちらが来シーズンの解説動画
以下は大野が賛辞を送っている歌手をピックアップして紹介する。
◆エフゲニー・オネーギン
ロシア人歌手らしく、常に全力投球の豪快なお姉様である。
歌ってる時に、こういう言い方すると差別と言われるのかもしれないが、
喉仏の動きが女性とは思えない動きをしている。
どんだけ舌の奥に力入れて無理やり喉の奥に空間を作ってるんだ?
と突っ込みたくなるのだが、どう見ても自然な歌い方ではない。
◆ドン・パスクワーレ:ノリーナ役
大野がノリーナ役を歌わせれば世界一と言わんばかりに絶賛しているが、
この人、私は上手いと思ったことがない。
この際ハッキリ言うが下手。
下手な理由をざっと挙げると
❶軽い声にも関わらず全く響きが乗らず、ピアニッシモができない。
❷”e”母音がことごとく横に開いて浅くなる。
➌低音域が完全に喉声。ただでさへ響きが乗っていないのに低音は更に響きが落ちる。
モーツァルトのExultate Jubilate で現在活躍している別の歌手と比較
プリティ イェンデ
イェンデもまだまだ若い歌手で勢いで歌ってる部分はあるが、高音と低音で響きが落ちないことが大事。
軽い声でも響きさえ乗っていれば、意外と舞台の後ろまで声は飛ぶものなのだが、落ちてしまったら何も聴こえない。
◆セビリャの理髪師:ロジーナ役
この人については以下の過去記事で触れたのでそちらを参照ください。
ロッシーニを歌うために生まれたフランス人メゾソプラノMartine Dupuy
◆ジュリオ・チェーザレ:タイトルロール
今時こんな歌い方の歌手がいたとは!
全部奥で作っていて、何を言ってるんだかさっぱりわからない。
素人がメゾソプラノ歌手の物まねをした声がめっちゃ良くなったヴァージョンといった感じ
この声でヘンデルを歌わせるとは、マジで大野のセンスを疑う。
事実ヘンデルを歌うとこうなる
大野
「大変美しく情感に溢れた声の持ち主ですので、チェーザレ役にふさわしい歌唱をしてくださるだろうと思っています。」
もう何も言うまい・・・。
◆サロメ;タイトルロール
ノンレガートで常にヴィブラート付けてトスカを歌うソプラノなんて聴いたことない。
こんな美しいオーケストレーションを書いたプッチーニに謝れ!
と言いたくなる位音楽性のカケラもない歌を歌う歌手である。
発声云々以前の問題ではないか?
この歌手にRシュトラウスが歌えるはずがない。
もう絶叫するだけなのが目に見えている。
大野和士は伊仏独語ができたはずだし、
オペラ指揮者として本当に世界で通用する日本人だと思っていたが、
残念ながら致命的に女声の良し悪しを聴き分ける耳がないらしい・・・ということがわかってしまった。
尚、大野が特に称賛していない歌手の中にはこんな人がいる
◆サロメ;ヘロディアス役
ヘンデルのスペシャリストのラーモアをRシュトラウスの作品で呼んできて、
チェーザレには100tハンマー級のメゾを配役するとは・・・正気の沙汰とは思えない。
正常な思考なら、ラーモアをジュリオ・チェーザレに起用するわ!
◆ラ・ボエーム;ミミ役
この人はブレイクすると思って注目していたのだが、
残念ながら若い頃よりお発声が崩れてドゥ ニースとあまり変わらない状況になっている。
それでも低音はドゥ ニースよりは響きが乗っているが・・・。
◆コジ ファン トゥッテ:ドラベッラ役
カルメン歌いをドラベッラに起用するとは、またまた常人のセンスの斜め上を行っている。
とはいえ、この人は響きが前に出ていて、上手く響きで歌うことも出来そうで、
この人目当てに聴き行くという選択肢はあっても良いかもしれない。
映像を見る限り、来期新国に出演する女声の中ではトップクラスのように聴こえる。
ついでに、高橋薫子のデスピーナがどんな感じなのか?
一時期藤原公演では常に主役をやっていた彼女が今どうなっているのかは多少興味があるところ。
どうせ何人かはキャスト変更されるんだろうが、現状はこんな感じ、
大野のキャスティングには大いに疑問であるが、さてどうなるか。
[…] 昨日の新国立劇場2019-2020シーズンの展望(女声編)に続いて 今回は男声編をお届けします。 […]