世界で活躍する日本人ソプラノ特集


日本で最も知名度が高かったであろうソプラノ歌手

佐藤 しのぶ氏が10/29に亡くなったことが報道されました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20191003/k10012110711000.html

 

有名になると、色々と旦那さんのことや、某宗教との関わりなど影で色々言われたりしていましたが、それでも、日本人歌手として世界で通用していたソプラノ歌手という事実は変わりません。

 

決して皮肉を言いたい訳ではありませんが、佐藤しのぶ氏、
喋ってる声が本当に綺麗だと思います。

どこにもひっかかることなく、全然喉に力が入ってないし、上ずった声でもありません。
日本人女性は世界的に見て地声が高い。と言われているそうなのですが、
それは自然なのではなく、上ずった声を作る傾向にあるからだそうです。

秋葉原にいるメイドさんとか、
デパートの化粧品売り場の店員さんとか、
聴いてるこっちがそんな声作ってて辛くないのかな?と思ってしまうのですが・・・。
とりあえず、無意識のうちに早口になってしまう傾向のある方は要注意ですよ。
佐藤しのぶ氏の話し方は参考になります。

さて、今日はこのような機会なので、今現在世界で活躍している日本人ソプラノを取り上げたいと思います。

 

 

 

 

谷村 由美子

プーランク  Fiancailles pour rire Il vole

 

無理のない流れるような歌唱と、決して太くならない響きはフランス音楽にぴったり。
それでいて、日本人にありがちな、特定の母音で響きが急激に浅くなったりすることもなく、何と言っても素晴らしいのが口先でしっかり言葉をさばけているところ。
フランス語は響きが奥に籠り易く、前で発音するのは難しいのですが、それを声が硬くなることなできています。
この一曲で実力を判断することは難しいかもしれませんが、上手いのは確かです。

 

 

 

 

浦田 典子

プッチーニ 蝶々夫人 Un bel di vedremo

 

リアル蝶々さんを日本人で探すならこの方でしょう。
パッサージョ付近のF・Fis辺りと、最高音のBに少々不安定なところがありますが、
何と言っても中低音の歌い方と表現は外人には中々真似できない。
細い声なのだけど、しっかり根っこの張った芯の強さを感じさせる声。
太くなったらアウトで、求められる声も表現も本当に繊細なアリアだとつくづく感じさせられますね。

それにしても、日本をよく知らないプッチーニはよくこんな表現を想像だけで書けたものだと感心しますが、それも、日本人女性として立派にこのアリアを歌えてこそ
「これだ~!!!」みたいな衝撃があるのではないかと思います。
こうやって聴くと、最後のBはオマケで重要なのは中間部ですよ。
贔屓なしにフレーニより上手くなっすか?

 

 

 

Mirella Freni

 

 

 

 

森田 裕子

プッチーニ 蝶々夫人 Un bel di vedremo

 

蝶々さんをはじめ、モーツァルト作品から椿姫まで、結構色々世界で歌っているようなのですが、個人的にはそこまで飛び抜けて上手い印象を受けないのですが、皆様はいかがでしょうか?

 

 

 

 

千田 栄子

プッチーニ トスカ Vissi d´Arte

 

ドラマティックソプラノとして南米で活躍している方。
テアトロ コロンでトスカやマクベス夫人を歌えるような人はそうそういません。

あまり日本では注目されることはないのかもしれませんが、南米でドラマティックなヒロイン役を歌ってきているような方ですから、持ってる楽器は日本人離れしていると思います。
時々雑な響きがありますけど、音楽作りは決して粗い訳ではありませんし、高音の迫力はそこらの外人に負けないものがあります。
日本国内では無双していた時期もありましたが、やっぱ木下氏は喉が上がった声なんですよね。

 

 

木下 美穂子

 

 


 

 

田中 絵里加

ヴェルディ È strano! /Ah, fors’è lui /Sempre libera

 

この映像は今年の夏のボローニャ市立劇場での演奏
田中氏はボローニャを中心に活躍するハイソプラノ。

日本で田中という名前のソプラノと言えば、ウィーンで実際大して活躍できてないのに、日本でのメディア露出が多い彩子氏という方が有名ですが、絵里加氏は本物です。

日本人に多いコロラトゥーラを得意とするタイプのソプラノですが、実は世界で通用している歌手はあまりいません。

それは結局、大半が楽器が小さいから高音が出てるだけで、
開いた声で出ている訳ではないということ。

この方は、高音が全部しっかり奥行のあるポジションにハマって、それでいて詰まった声ではない。
そして、日本人にはあまりいない暗めの音色のハイソプラノなんですよね。
ただリリックに明るく清らかな声ではなく、ドラマを表現できるもっと人間らしい声。
中低音での特定の母音でまだまだ響きが乗り切らない部分がありますが、
私が知る中で、もっとも日本人としてヴィオレッタを歌う声に相応しいと思っています。

 

 

 

こういうこと書くと、田中彩子氏のファンから批判されそうですが、普通に聴き比べてどぉですか?
冒頭に佐藤しのぶ氏の喋り声が美しいと書きましたが、彩子氏は喋ってる声も息止まってます。これで歌上手い訳ないのです。

 

田中 彩子

 

 

 

勿論ここで紹介した方々以外にも、
大村博美氏、中村恵理氏、浜田理恵氏といった方々も当然世界的に活躍していたソプラノですが、ここでは既に国内の活躍が増えていることと、既に知名度があるため割愛させて頂きます。

 

その他、今は日本の活動が多いですが、海外でも活躍されて実力のある方は

 

 

 

松田 奈緒美

2006年 オーストリアでのリサイタル

 

ドイツ物が得意な方で、声に気品があります。
ただ、リストのペトラルカのようなイタリア物を聴くと目立つのですが、高音は特に天井が低く硬い響きになってしまっています。
細い響きで歌う中音域は良いのですが、レガートの技術にはまだまだ改善の余地があるのではないでしょうか?

全体的に声を太くし過ぎなので、全部ピアノで歌っているところに息を通してフォルテまでいけると良いんですけどね。

 

 

 

 

 

中村 智子

モーツァルト  Laudate Dominum

 

海外で活躍して戻ってくると、大抵は都会で教えたりするものですが、
この方は鹿児島で教えているようです。
あと沖縄かな?

独特なヴィブラートはありますが、低音域~高音まで安定した深い響きで歌えています。
上で紹介した松田氏とは逆に、響きに奥行きはあるのですが、ちょっと鼻に入ってしまうことがあるのが勿体ないですが、滑らかな息の流れは中々見事なものです。

こういう宗教音楽を上手く歌える人に下手な歌手はいないと思っています。
是非、大都市に負けない逸材を育て上げて欲しいものですね。
しっかりした技術を持った歌手が地方で活躍すれば、必然的に日本全体の声楽レベルを上げることにつながることでしょう!

 

今回はこんな感じでしょうか。
今後新たに気になった方がいれば更新していく予定です。

 

 

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