【2018/10/6】ブルガリア国立歌劇場《カルメン》

■劇場総裁・演出:プラーメン・カルターロフ

■演奏:ブルガリア国立歌劇場管弦楽団&合唱団

ビゼー作曲『カルメン』<全4幕>

■日時:10月5日(金)18:30、6日(土)15:00

■会場:東京文化会館

■指揮:原田慶太楼

■カルメン:ナディア・クラスティヴァ

■ドン・ホセ:コスタディン・アンドレエフ

■ミカエラ:ツヴェタナ・バンダロフスカ

■エスカミーリョ:ヴェセリン・ミハイロフ

クラスティヴァ目当てで行ったカルメン。
結果的には最近行ったオペラで最低レベルの演奏だった。

まず、クラスティヴァを除く女声陣が酷過ぎる。
特に女声合唱は日本の市民オペラ団体で歌ってる声の出るおばちゃんか?と思うくらい音程が全然ハマらない。
フラスキータ、メルセデスも冗談かと思うような素人声を出しおる。
ミカエラも何とも残念な感じで、全く響きが揃わない。
高音はちょっと良い時もあったが、中音域が如何せん全く響きが乗らない。
音が高くなるとデカい声になって、低い音は聞こえないという、一言でいえば残念な感じ。

一方、男声が良かったかと言えば、それもない。
とりあえず持ってる声は低声陣は良いが、持声で歌ってるだけでそれ以上のものがない。

個人的に好きなカルメン、ダンカイーロ、レメンダート、フラスキータ、メルセデスの5重唱がクソ下手で、リズムが遅れてオケとズレて崩壊寸前になるし、多分男声が途中落ちたし、指揮者が悪いのか演奏者が悪いのかは分からないが、とにかく言葉が飛ばない、リズムが出ないという致命的な状況だった。

エスカミーリョ役のミハイロフは象徴的だった。
声も容姿もぴったりなのだが、まぁ声が飛ばない。
その割に抜いて歌ったりするのもだから、聴いててイライラしてしまった。

ホセのアンドレイエフ
悪い歌手ではなかったが、やっぱり喉声に近い。
As位まではパワーで持っていけるのだが、やっちまったのは、一番の聴かせところの花の歌で、Bを出す部分「Et j’étais une chose à toi」を一息で歌えないというブレスの短さには正直引いた。更にブレスをしたのにサイレンみたいな最高音を出すという残念さ。
だが、後半は持ち直して、フィナーレの重唱はかなり良かった。
全体的に押しの一択みたいな歌い方で、一応ピアノとかファルセット使ってミカエラとの重唱もこなしてはいたが、かなりキツそうだった。

最後にお目当てのクラスティヴァ
響きは高くないけど、兎に角ポジションが安定している。
そして、何よりセリフを喋る時の声が抜群に素晴らしい。
上に添付した挨拶動画でも分かる通り、全く喉が上がらないし詰まらない。
胸声に近いポジションでずっと歌い続けると言う、先ず日本人には真似できない(してはいけない)歌い方だが、彼女の声はこういう歌い方が合っているのだろう。

とりあえず、今回の公演でわかった事は、改めて新国の合唱団って上手いんだな~ってこと。
オペラ合唱が下手で萎えたのは初めてかもしれない。

そんな訳で、本日は非常に不満の残る演奏会となったのだが、
まぁ、フィナーレの重唱だけはそれなりに良かったので、2幕で席を立たなくてよかった。

あぁ、最後に、演出もなんだか訳ワカメでした。
終始赤・黒・白の舞台は目がチカチカして敵わんし何がやりたかったのかもよくわからなかった。

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