新旧歌唱比較シリーズVol.1【ハイソプラノ編】

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先日動画紹介した記事の中で、
YOUTUBEに上がっている比較歌手には納得がいかない。
という声を頂きましたので、細かく分けて不定期にこのシリーズをやっていこうと思います。

その第一回目はハイソプラノ(コロラトゥーラを得意とするソプラノ)。

オペラの花形と言えばソプラノの超絶技巧が最初に思い浮かぶ方もいると思いますし、
新旧の技巧自慢の比較は、時代と歌い方の変化を知るにはとても分かり易い分類でもあります。
戦前と現代ではそれこそ発声が全然違うのですが、
あらかじめこの比較をする上での問題点を挙げておくと、
20世紀初頭はヴェリズモオペラ全盛期であり、古典~ロマン派(ベルカント物)を歌う歌手より、
ヴェリズモオペラを歌う歌手が一流とされ、報酬も全く違ったと言われています。

そのような理由から、戦前の一流ソプラノと言われる人には、あまりこの声種に該当する人がおらず、
更にノイズの入った古い録音は、男声歌手より高い声の女性の方が聞き取りにくいというデメリットもあります。

そんな訳で、この部門で新旧の比較をする場合、
主に対象は1950年以降に活躍した歌手となることをご了承ください。

 

 

 

イタリア人ソプラノ

 

 

Luisa Tetrazzini (ルイーザ テトラッツィーニ)1871年~1940年

ベネディクト Le carnaval de Venise

戦前に活躍したコロラトゥーラを得意としたソプラノの中でも最も有名で、
録音状態も比較的良いのがこの人ではないかと思う。

 

 

 

Alda Noni(アルダ ノーニ)1916年~2011年

Rシュトラウス ナクソス島のアリアドネ Grossmächtige Prinzessin

イタリア人ではあるが、戦中~ウィーンで歌い、Rシュトラウス本人の80歳を祝う公演でも、
ツェルビネッタを役に抜擢されて歌った程である。

 

 

 

Renata Scotto(レナータ スコット)1934年~

ドニゼッティ ランメルモールのルチア Il dolce suono  (前半)

 

 

Il dolce suono  (後半)

 

 

 

Mriella Devia(マリエッラ デヴィーア)1948年~

トリビュート

 

本来はルチアーナ セッラを入れたいのだが、世間一般の評価や知名度としてはデヴィーアの方が上なので、
個人的な好みを抑えてデヴィーアを選んだ。
ここまでは時代を代表するイタリア人歌手のみを挙げてきたが、
現在脂の乗っているこのタイプの歌手には、残念ながらイタリア人はいないだろう。
ランカトーレは先日の記事に書いた通り全く一流歌手ではないし、
エヴァ・メイもちょっと上記で紹介した歌手と比べるには忍びないのに加え既に全盛期を過ぎている。
昨年は芸大でマスタークラスなんかをやってたくらいですから、ちょっとここ現代を代表する歌手としては扱えない。
※私が知らないだけで、もし素晴らしいイタリア人ハイソプラノが現在いたらご連絡ください。

それでもあえて挙げるならばこの人か

 

 

Patrizia Ciofi(パトリツィア チョーフィ)1967年~

2017年 バロック作品でのコンサート

良い歌手だが、ここで比較対象として出すにはちょっと違うとは思いながらも、
ベルカント物のオペラでやたら大々的に宣伝されていた時期より、こういう作品の方が声に合っている気がして、
最近の演奏をここで取り上げた。

 

 

 

ドイツ人ソプラノ

 

 

Erna Sack(エルナ ザック)1898年~1972年

Frühlingsstimmenwalzer

 

 

 

Rita Streich(リタ シュトライヒ)1920年~1987年

トリビュート

 

 

 

Edda MoserM(エッダ モーザー)1938年~

モーツァルト 魔笛 Der Hölle Rache kocht in meinem Herzen

モーザーをこの比較に入れるのは声質的に考えてやや場違いなのだが、
シュトライヒ~ダムラウの間のコロラトゥーラを得意とするソプラノでは、
ドイテコムかモーザーの二択で、やむを得ずモーザーを選んだ。
とは言っても、この演奏は1999年。
つまり、61歳でこの夜女を歌えることがどれだけ凄まじいことか、
現在のドゥセイ、ダムラウ、ランカトーレ・・・といった歌手の現状を見ればわかるだろう。
勿論、ドイテコムより全然格上だと考えての選出であることも付け加えておきたい。

 

 

 

Diana Damrau(ディアーナ ダムラウ)1971年~

Rシュトラウス Amor

今メトを中心に世界中でヴィオレッタを歌いまくってる同姓同名の歌手は別人ではないか?
と思える程に透明感のある声である。
ダムラウの没落については過去記事
Diana Damrauはイタリアオペラを歌うべきではない理由とその証拠>でも取り上げているので、
まだご覧になっていない方はそちらも参照ください。

 

 

 

フランス人ソプラノ

 

Lily pons (リリー ポンス)1898年~1976年

ドニゼッティ 連隊の娘 Salut à la France

聴き慣れない長大なカデンツァを駆使した演奏。
戦中、舞台でフランス国旗を振り回しながらこの曲を歌う彼女の姿に聴衆は熱狂したのだとか・・・。

 

 

 

Mady Mesplé(マディ メスプレ)1931年~

ドリーヴ ラクメ  L’air des clochettes

日本語Wikiがあったのでリンクを貼ったのでご覧頂ければわかる通り、
日本とも関係の深いソプラノ歌手である。
独特のチリメンヴィブラートが気になる部分はあるのだが、
60~70年代を代表するフランス人ハイソプラノだったことは間違えない。

 

 

 

Natalie Dessay (ナタリー ドゥセイ)1965年~

1989年~2009年のフランスオペラトリビュート

ドゥセイも勿論全盛期は大変素晴らしい。というか、
喉を傷める前(2000年前半まで)の火の玉のような危うさを内包した演奏。
特にハムレットなんかは寒気すら覚える程だったが、
総合的な演奏の質で見ると、個人的な意見としてはプティボンの方が上手いかなと思っている。
プティボンは純粋なハイソプラノとはちょっと声質やレパートリーが違うのと、
世間一般の評価や知名度を考えてドゥセイを選出した。

 

 

 

Sabine Devieilhe(ザビーネ ドゥヴィエル)1985年~

ラモー プラテー Air de la Folie

 

ドゥヴィエルは古今のコロラトゥーラ使いの頂点ではないか?
とさへ思う位個人的に心酔しているので、冷静に他の歌手と比較できません。
だって上手過ぎでしょ!
因みに、このラモーの演奏が衝撃のデビューCDに収められた曲でもある。
このサイトを立ち上げて初めの方で当然のように紹介しているので、
もし過去記事をご覧になっていない方はコチラもどうぞ。

 

 

 

 

 

その他の国のソプラノ

 

 

Edita Gruberova (エディタ グルベロヴァー)1946年~

Rシュトラウス ナクソス島のアリアドネ Grössmächtige Prinzessin

正確な読み方はグルベローヴァではなくグルベロヴァーなんだそうで、
特にこの人については説明不要と言うか、この企画をやって外す訳にはいかないので入れました。

 

 

 

Beverly Sills (ベヴァリィ シルズ)1927年~2007年

ロッシーニ セビリャの理髪師 Una Voce Poco Fa!!

 

 

 

 

Kathleen Battle (キャスリーン バトル)1948年~

Jシュトラウス Frühlingsstimmen

 

 

 

 

Sumi Jo (スミ ジョー)1962年~

モーツァルト 魔笛 Der Hölle Rache kocht

 

 

 

佐藤美枝子

ドニゼッティ ランメルモールのルチア il dolce suono

日本人でここに入れるなら、天羽明恵、釜洞祐子、安井陽子、佐藤美枝子の誰かかなと思ったが、
一般的にはチャイコフスキオーコンクールのインパクトから佐藤にした。
20年位前はやっぱり世界で通用する歌を歌っていたのだなぁ。と改めて思ってしまう。

 

 

 

Elena Moșuc (エレナ モシュク)1964年~

ヴェルディ 椿姫 Sempre libera

これ2017年、東京でのリサイタル映像で53歳とか、モシュク美人過ぎでしょ!
じゃなくて声ですね。
この人、超高音で売ってたように見えて、かなり慎重な歌を歌う人で、
持っている声は超一流とは言えないかもしれないが、技術や音楽作りは本当に丁寧で良い歌手です。
口の開け方なんかを見ても本当にフォームがしっかりしてて、参考にするにはグルベより全然良いと思う。
まぁ、狂乱するのに安全運転じゃつまらないだろ!という意見もご最もで、
そういう意味で演奏に面白みが欠けるのが玉に瑕と言えばそれまでなんだが。
表現の引き出しがもう少しあればといったところ

 

 

こんな感じだろうか。

勿論、まだまだ素晴らしい歌手はいるし、
特に米国の歌手はもう少し詳しく紹介すべきなのかもしれないが、
後々レパートリーが変わっていった、カバリエやシューダー、ポップ、
そしてカラスはあえてここでは取り上げなかった。
スコットはどうなんや!
という声が出そうだが、ミミとかでも本来持っている声の良さが失われてしまうのを聴くと
持っている声はこの分野に入れるべきという判断である。

なお、この企画はあくまで比較が目的であり、
私が結論を出そうとは考えていない。

なので、あえて昔の方が遥かに優れている。と言うつもりもなく、
恣意的に現代の歌手が上手く聴こえるように選曲や人選をしたつもりもない。
ただ、歌唱の遍歴=聴衆の好みの移り変わりを味わってもらい
そこにはそれぞれ長所も短所もあることが伝わればと思っている。

もちろん、
声種によっては現代より戦前、戦後間もなくに活躍した歌手の方が優れていると言わざるを得ないこともあるだろうが、
逆に、カウンターテノールなんかは間違えなく現代の方が優れた歌手が出て来ている。
このように、過去の歌唱と現代の歌唱を比較するということは、
膨大なサンプルを持って初めて比較した。と言えるのである。
恣意的に切り取った歌手を比較して、

「昔の方が凄い!現代の歌唱は衰退してるッ。」

などと安易に結論を出すのは本当に声楽を学んでいる者の姿勢ではない。と断じておきたい!

そんな訳で、この企画はシリーズ化して不定期に取り上げていきたいと思うので、
もし、取り上げて欲しい声種、
あるいは、今回取り上げられてないのが不服だ!
というハイソプラノ歌手がいればご意見を寄せて頂ければと思います。

 

 

 

 

お願い

この演奏会に限らず、演奏会やオペラの感想、
私の記事に対するご意見などがありましたら、
コチラの掲示板に書き込み頂ければと思います。

 

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