多くの日本人ソプラノが参考に出来そうな若手ソプラノ Hana Blažíková

Hana Blažíková (ハナ ブラジーコヴァー)は1980年、チェコ生まれのソプラノ歌手であり、ハープ奏者でもある。

まだ40歳手前なので、若手歌手の部類に入れて良いと思うのですが、
声質がとてもン本陣に多くいそうなタイプで、やや声に硬さはありますが、癖がまったくないので、多くの日本人ソプラノにとって参考になるのではないかと思って取り上げることにしました。
なお、得意なレパートリーはイタリア、ドイツバロック作品、ショパンの歌曲なんかも歌っています。
しかし、かの人を語る上で一番の特色は何と言っても、ハープの弾き語りです。

 

 

この小さなハープは勿論おもちゃではなく、ゴシック・ハープという種類になります。
ハープと言うには少々地味ですが、このような弾き語りをする人は、少なくとも私は他に見たことがないので、インパクトは中々のものです。

こういう拍節感のない歌の要素は、大抵のオペラや歌曲でも絶対に必要だと思うのですが、決まった枠の中で自在に言葉のリズムや旋律の揺らぎを出すのは簡単なことではありません。
それにしても、ハープという楽器は、なぜお姉さんが弾かないと栄えないのでしょうか?

もし、タンホイザーの冒頭のヴェーヌス讃歌を弾き語りしてるお兄さんがいたとしても、絵になるような風景には絶対ならないと思うのです。

 

 

 

バッハ マタイ受難曲 Blute nur, du liebes Herz

冒頭で紹介した動画とほぼ同じ位の時の演奏と思われます。
恐らく30歳前後でしょう。
聴いての通り、下手ではないけど、あまりパっとしない。
とりあえず無難に歌える歌手。という印象を私は持つのですが、皆様はいかがでしょうか?
この声が10年弱の間にかなり変わるので、何が変わったのか、是非考えてみてください。

 

 

 

 

カルダーラ Vaticini di Pace

こちらは2013年の演奏なので、33歳のということになります。
ドイツ語よりイタリア語の方が良い響きに当たる歌手なのかもしれませんが、明らかにマタイでの歌唱よりも響きが安定して高さを保っています。
それでも、まだ上半身しか鳴っていないような線の細さがあります。
響きの高さは重要なのですが、顔しか鳴っていないのは間違えで、
実際は胸の響きも必要です。

 

 

 

 

カヴァッリ l’Amore innamorato

フランチェスコ カヴァッリという、イタリアバロックオペラ作曲家の作品です。
この演奏が2015年。2013年から2年でかなり変わった印象を受けます。
一番の変化は、2013年の時はまだ響きが散ってしまっており、
特に中低音ではあまり鳴っていない状況でした。
一般的にいう口が横に開く、縦に開く。と言われる時の違いがこの差だと考えて頂いて良いかと思います。

縦に響きが集まれば、
このように喉を鳴らしたり、胸に落としたりしなくても響きが得られる訳ですね。

 

 

 

モンテヴェルディ ウリッセの帰還 Per vendetta che piace

こちらは2017年の演奏
ライヴ演奏ではありませんが、今までにない程言葉に力があり、
アジリタもただコロがっているだけではありません。

さて、この人の声を聴いていて近いtなと思う日本人歌手がいます。

 

 

 

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中江 早希
モーツァルト コンサートアリア No, che non sei capace

 

 

 

シューベルト Die forelle

 

 

プッチーニ 蝶々さん

声や技術は持っていたんですが、喉で押す癖がありました。
高音はまだ良いのですが、シューベルトのますを聴いて頂ければお分かりの通り、全くレガートで歌えていません。
はっきり発音はしているのですが、まったく詩のリズムとして言葉がでてこないので、歌詞の意味わかってるのかな?と思わざるを得ない演奏になっています。

そこにきて、トドメは蝶々さんです。
こんなことをしているから若い才能もすぐに潰れてしまうのではないでしょうか?

とは言っても、
何でもかんでも自己責任に転嫁するのが現在のこの国の状況ですが、
若い歌手が、蝶々さんだ、ヴィオレッタだの役を貰って断れる訳がありませんから、声に合わない役を歌ってフォームを崩しても、100%自己責任で切り捨ててしまうのもまた間違えです。

 

ブラジーコヴァーを見れば、成長曲線は30代に入ってからでも十分に描ける。否、むしろ20代で蓄積した知識が一本の線につながって飛躍できるのは30代なんじゃないかと最近思います。

逆に、20代でもてはやされた歌手は、ほぼ例外なく30代後半で名前だけ知れ渡って歌は下降線をたどっていることが多いのです。
その原因は何かと考えると、あれもこれも手を出せば中々知識の積み上げはできず、声だけを浪費していくのですから30代で成長し続けるのは必然的に困難になります。

分かり易い例では、普段ドイツ語の作品を全く歌わない人が第九のソロだけはやる。
日本では当たり前のことですが、この当たり前が異常であることを誰も指摘しない。
そりゃ年末の大事な収入源ですから当然ですね。

しかし、そんなことで若手の有望株は立派な大樹になれるのでしょうか?

その合間にも、海外に育ててもらった演奏家を有難がって消費する訳です。
その「育てて貰う。」というのも実力ではなくコンクールの入賞歴や、歌劇場の出簾歴などが重視されますから、プロとして活動しながら成長できる土壌が日本には決定的に欠けているとしか言いようがありません。

 

後半は愚痴のようになってしまいましたが、
ここで示したブラジーコヴァーの声の遍歴は、日本人ソプラノであっても当てはまることだと思いますので、少しでも声楽学習者の参考になれば幸いです。

 

 

CD

 

 

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