歌心のあるソプラノMarianne Lambertはマリー アントワネット

Marianne Lambert(マリアンヌ ランベール)はカナダのソプラノ歌手。

2017年のConcours International de Clermont-Ferrandで1位になり、オペラよりはハープ伴奏で歌曲を歌ったりして注目を集めているだけあって、
声や技巧よりも、丁寧にテキストを歌い上げることに大きな魅力のある歌手です。

一瞬ですが、上記のコンクールの映像が以下(4:35~)です。

 

こういうタイプの歌手はあまり注目を浴びにくいですが、
声では中々世界に太刀打ちできない日本人歌手が一流として認められるには、ランベールのような歌唱は参考になるのではないかと思います。

因みに、タイトルの意味は一番最後まで記事を読んで頂ければわかりますよ♪

 


 

 

 

シューベルト Im Frühling

この曲のハープ伴奏はちょっと販促だろ!
と個人的には思ってしまうのですが、
声初々しさと表現的な拙さにハープの響きが合い過ぎている。

表現の拙いと言うのは
”r”の巻き舌をする基準がよくわからないのとか、
二重子音の発音の食いつきが遅いのとか
”i”・”e”・”a”母音が全体的に平たいのとか、
色々挙げればあるのですが、それでも中々魅力ある演奏なんですよね。
発音が素晴らしいから歌心がある訳ではなくて、この当時の彼女がやりたい演奏というのが見えるのが良いですね。

 

 

 

 

シューベルト Du bist die Ruh

先に紹介した「春に」より2年位後の演奏だと思いますが、
”i”母音で、おもいっきり上の前歯を見せて歌っていたのが、こちらでは全くなくなっています。
口のフォームはかなり修正されている印象を受けます。

演奏としては、最高音のAsでやや無駄なヴィブラートが掛かるのが気になります。
この辺りの音でピアニッシモの表現をするには、もう一息といった感じですが、丁寧に歌っているのが伝わってきて、最後まで聴こうという気にさせてくれます。

 

 

 

ドニゼッティ シャモニーのリンダ O luce di quest’anima

ベルカント物のアリアをどう歌うのか興味を持って聴いてみると、
これがまた可憐でなんと愛らしいことか!
はっきり言って、この人の高音は大して美しいと思いません(爆)
実際、まだまだ喉で押してる部分がかなりあると思うのです。

それでもどっか魅力があって、
別に変な意味ではなく、個人的にランベールの一番好きな部分は何かと聞かれれば唇だと応えます。

演奏会に行くと、昔はどんな身体の使い方、姿勢、口の開け方をしてるのかなどを注目していましたが、最近は唇の動きが気になってしまうのです。

その理由は、発音の時に唇を全然使えてない歌手が本当に多いからです。
空間を広く使おうとしたら、必然的に唇の接触は少ない方が良い訳ですから、
特にイタリア物のような子音の少ない言語の曲を中心にやってる歌手は、舌や唇に邪魔されずに響かせることを一番に考えるのが当たり前です。

それでも、一流のブッファバスなんかは超早口をハキハキとメリハリをつけて喋りながら声の響きも失われない訳で、そこで重要な役割を果たしているのが唇の形や動きななんですよね

勿論舌の動きも重要ですが、日本語は唇を使わないでも喋れてしまう言語ということもあって、発音と声を高いレベルで両立させている歌手の唇の使い方を参考にすることは、外国語を美しい滑舌で歌えるようになる近道になるはずです。

ランベールから話が逸れてしまいましたが、
そんな訳で彼女の唇の使い方は、近い世代の他の歌手より優れていると思います。
例えばイェンデ

 

 

Pretty Yende

 

レチタティーヴォを比較すれば、言葉のリズム感や色合いの違いがよくわかると思います。
(ランベール 0:23~2:25)
(イェンデ 0:21~2:09)

ランベールは、まだ”e”母音で浅くなる癖があるのですが、
それも聴き方によっては表現と取れなくもない・・・?

 

 

 

プッチーニ ジャンニ・スキッキ O mio babbino caro (アカペラ演奏)

やっぱり時々”e”母音だけ音質が変わるのですが、
それでもイタリアオペラを歌うに遜色ない声になっています。
あえてアカペラで歌った映像をYOUTUBEにアップしようと考えるのも新鮮なのですが、それだけ演奏に自信があったのでしょうか?
少なくとも、高音のAsの音は上記で紹介してきた中でも一番充実した響きになり、今までは共鳴空間が狭い、ちょっと痛い高音でしたが、徐々に奥行きが出て来ているのは良いことですね。

こうやって5・6年の間の演奏を聴くだけでもかなり進歩しているのがわかりますので、オペラでも歌曲でも今後の活動が楽しみな歌手なのですが、

やっぱりこの人の活動で一番個性的なのはこちらの活動だろう。

 

 

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L’amant jaloux

どうやら1785年のヴェルサイユ宮殿を舞台に、
マリーアントワネット(ソプラノ)、
ルイ14世(バスーン
外交官でハープの名人(ハープ)

という役割でドラマを展開する趣向らしく、
彼女のスケジュールを見ると、年に2・3回この公演をフランス国内でやっているようだ。

歌心というのはこういう遊び心があってこそ豊になるものだと思う。
それにしても、この活動、衣装にもメイクにもお金かかりそうだな~
それこそパトロンいるんじゃないか?
とかゲスな考えしかできない私はダメですね。

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