久々に現れた本格派イタリア人メゾの大器Veronica Simeoni

Veronica Simeoni (ヴェロニカ シメオーニ)イタリア生まれのメゾ
最近大きな劇場に出始めた新星であるが、驚くべき完成度の発声技術と声を持っている。

シミオナート、コッソット依頼久しい正統派イタリア人メゾの大器と言っても過言ではない。

 

ではその演奏を聴いてみよう
ヴェルディ ドン・カルロ レチタティーヴォとアリア  O Don Fatale(おぉ 酷い運命よ)

響きだけ聴いていたら、どっちがメゾでどっちがソプラノか分からないだろう。
これが本来のメッゾソプラノの在り方である。

低い声を歌おうが、音色が暗かろうが、響きの高さはソプラノのようでなければならない。

シメオーニの響きからすれば、グバノヴァですらパワーで歌っている要素が強く感じる。

高音はまだ改善の余地があるものの、低音域の響きは最近の歌手の中では随一だ

 

低音域Esを”a”で出しているところ

 

ここまで艇音域で口を開けて響きが落ちない人は珍しい。
空間を広く取ればとる程、低音域は焦点ばブレ安くなるので、
大抵こんな開けたら響きが胸に落ちるものなのだが、
この人はブレスコントロールがしっかりできているということだ。

 

最高音を出しているところ

 

上半身の解放と、腰から下の引き締まり具合が、この画像だけでもわかる。

 

こちらはフランス歌曲

ベルリオーズの歌曲などを歌っているが、実に見事。
フランス歌曲とヴェルディのアリアは対局にあるように見えて、
しかるべき技術と言語感覚があれば決してそうではないことを示している。
こちらの方がドン・カルロを歌った時より前なので、高音域で少し力む感じがない訳でもないが、
逆に、しっかりと課題を克服して進化しているということだ。

 

 

続いて
サンサーンス サムソンとダリラ Mon coeur s‘ouvre à ta voix(あなたの声に心は開く)

これ、普通に素晴らしい演奏。
ここまでレガートで歌える歌手はそういない。

Ah! responds a ma tendresse 
Ah! Verse-moi, verse moi l’ivresse!

「あぁ、私を愛の誓いの言葉で満たして、陶酔で満たして」

 

という部分の、最も美味しい「Ah」のオクターヴの跳躍が実は上手くハマる歌手が少ない

例えば、現在一番売れてるメゾのガランチャ(2:00辺り)

 

聴き比べて頂ければ全く次元が違うのがお分かり頂けると思う。

ガランチャは響きが落ちて堀ったような声になってしまって、無理やり重くした声なのに比べて、
シメオーニ深いが響きが高く、息の流れだけで歌っている。
もはや全く似て非なるものである。

てか、ガランチャもステロイドに手を出したか!?
と思わずにはいられない位、ロッシーニを軽々と歌ってた時とは別物の声になってしまった。

 

 

CD

テミルカーノフ指揮のヴェルレク
バスソロをコロンバーラで評判も上々

 

 

 

3件のコメント

  • […] 久々に現れた本格派イタリア人メゾの大器Veronica Simeoni […]

  • 田中一成 より:

    今晩の武蔵野でのシミオーニ、素晴らしかったです。以前サントリーホールで聴いたカサロヴァ、マリア•ストゥアルダ(Metシネマ)でのディドナート、そして1曲目のアーンはグラハム以来の本物でした。
    そして終演後検索したら久しぶりにあなたのブログ、当方は単なる音楽好きですが、改めてその充実ぶりに認識を改めさせて頂きました。
    これからも私のような素人にも理解可能な投稿をご期待申し上げます。

    • Yuya より:

      田中一成様

      コメントありがとうございます。
      武蔵野でリサイタルやっていたのですね。全く知りませんでした。
      相変わらず武蔵野は良い演奏家を良心的な価格で呼んで来てて、あのホールの経営陣には頭が下がります。

      ドラマティックな作品を得意としながら、アーンを上手く歌えるというのが痺れますね。
      最近は中々琴線に触れる演奏に出会えていないのですが、そういった知名度の低い歌手を見つけたら記事は書いていこうと思います。

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