府中シティ・ミュージック・ソサエティの所属歌手の実力は・・・!?


 

出来る限り実力のある日本人歌手を発掘して紹介したい。
と思っている訳ですが、コレは!
という歌手には中々出会えないものです。

そこで今回注目したのが
府中シティ・ミュージック・ソサエティ

という団体です。

日本では二期会、藤原歌劇団が特に有名ですが、
新国立歌劇場の研修所、サントリーホール・アカデミーのような育成機関から
地域の音楽振興を目的とした団体も沢山あり、
そういう所に時々思わぬ実力者がいたりします。

しかし、残念なことに履歴書だけが立派で、実際に歌を聴くとがっかりすることも多々あります。
そこで、今回は府中シティ・ミュージック・ソサエティに所属する歌手の中から、
実際に歌っている動画がYOUTUBE上にある人を取り上げていきます。

 

 

(以下、敬称略のあいうえお順番)

 

 

浅原孝夫:テノール

2006年渡伊。オペラにて、N.マルティヌッチ氏,S.カローリ氏等と共演。
2011年コンスタンツァにて「ランメルモールのルチア」に出演。

 

 

 

 

奥野恵子:メゾソプラノ

 

 

 

 

 

押川浩士:バリトン

2010年~2011年イタリア留学中にアレッツォ市のコンクールに優勝してオペラ「ラ・ボエーム」マルチェッロ役にてイタリアデビューを果たす。

 

 

 

佐田山千恵:ソプラノ

 

ここで紹介する中で一番キャリアが華々しいのがこの方かもしれません。

ミラノ市立音楽院を首席で卒業、ディプロマ取得。ロンドンにて2年間の研鑽を積む。
オランダ音楽祭にソリストとして出演他、国内主要ホール、またソウルにてソロリサイタルを毎年開催。
PMF2010では、N.Yメトロポリタン歌劇場首席常任指揮者F.Luisi氏指揮ボエームのミミ役に抜擢され成功を収める。
東京オペラシティホールにて、F.Luisi氏指揮でミミ役出演。
<マダムバタフライ国際コンクール>二回連続入賞。

 

 

 

 

砂川涼子;ソプラノ

こちらは今年の演奏。
現在日本人ソプラノとしては非常に人気のある歌手ではあるのですが、
以前に書いた記事の通りで、個人的には日本を代表するソプラノ歌手という認識は全く持っておりません。

 

 

◆関連記事

砂川 涼子(ソプラノ)の歌の問題点について

 

 

 

 

中鉢聡:テノール

村上敏明氏の前に藤原で引っ張りだこだった中鉢氏ですが、
あるとき公然と姿を消しました。
売れている時から某芸大の教授(現在は既に退官されている)は
「学生の頃は素直なリリックテノールだったのに」
と嘆いていたのを思い出します。

 

 

 

 

 

 

牧野正人:バリトン

イタリアに留学はされていますが、幅広いレパートリーを歌われているイメージがある歌手です。
こういう、あまり目立たないながらも幅広く歌える方はどこでも重宝されるでしょう。

88~89年ミラノに留学。
第3回日仏声楽コンクール第1位および審査員特別賞、第16回イタリア声楽コンコルソでシエナ大賞、ネリア国際声楽コンクール第1位など国内外で多数受賞。

 

 

 

 

望月哲也:テノール?

知名度は高いですが、ごめんなさい。
この方の声は西洋クラシック音楽を歌う発声だとは思っておりません。
山崎まさよしがオペラ歌ったらこんな感じの声になりそう。。。

とりあえず、この椿姫の抜粋を聴けばわかると思うのですが、
甲斐 栄次郎氏だけちゃんとした声を出しているので、他の出演者の発声が根本的に変なのが伝わるるのではないかと・・・。
ちなみに、この演奏会は日本声楽家協会という団体の主催です。
通称、日声協についてはいずれ詳しく取り上げることがあるかもしれません。

 

 

 

動画がYOUTUBE上にない方も半数近くいらっしゃいましたが、
大体この団体に所属している歌手の傾向が見えました。
それは、基本的にイタリアに留学経験があること。
あるいは日伊声楽コンクールなどのイタリアオペラにゆかりのあるコンクール入賞歴のある方が多いようです。
中には往年の名歌手、アルド・プロッティや、ニコラ・マルティヌッチに師事した方もいらっしゃいますが、
実際の歌唱を聴いて、それらの歌手を彷彿とさせる要素は全くありませんでした。

現実的な話をしますと、海外のコンクールの順位や、劇場によっては役までお金で買える時代です。
スカラ座の研修所にもお金を払えば入れるという話も聴いていますし、
ハッキリ申し上げて、プロフィールに書かれた情報は実力を保障するものではないのです。
今後、こういう団体は所属歌手の一年以内の演奏をアップロードするとかの方がよっぽど分かり易いし、
一部の資格試験や免許にだって定期的な更新が必要なのですから、
生演奏を生業とする演奏家にはそれを求めていくべきだと私は考えているのですが、
そういう動きは全く見られません。
なぜかは私の記事をご覧になっている方なら察しが付くのではないかと思います。
とにかく、完全な実力主義にクラシック音楽の世界もしていかなければ、世界で通用するような歌手は国内では育たないでしょう。

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