福田 美樹子(ふくだ みきこ)はコロラトゥーラを得意とするソプラノ
歌手。とのこと。
この方は声楽家を養成しているようで
ミキコエコールというのをやっています。
<福田氏のプロフィールは下記の通り>
「ミキコエコール・オオルリメソッド」 代表
国立音楽大学声楽学科卒業、バルセロナ・リセオ音楽院卒業、フランスボルドー音楽院にて学ぶ。
カルメン・ブスタマンテ Carmen Bustamante
マディ・メスプレ Mady Mesple
の各氏に師事
マディ・メスプレ Mady Mesple 氏には
5年以上師事しトレーニングをつみ
氏のコロラトゥーラメソッドを習得。
帰国後オペラ、コンサートに多数出演する中
独自の発声メソッド「オオルリメソッド」を確立させ
コロラトゥーラ歌手の養成
プロの養成
に力をいれている。
体を楽器に見立てて系統立てプログラムにした
ヴォイストレーニングの手法には定評がある。
2003年から「自分自身の声に目覚めて人生を輝かせる人を育てる」を目指して声楽塾「ミキコエコール」を設立。
2008年より東京音楽学院講師。ジュニアクラッシックコンクール他審査員を務める。
現在、コンサート、オペラなどに出演する傍らソロリサイタルを開催、オペレッタの監修、演出なども手掛ける。
プロオペラ歌手、声楽家、各種プロシンガーの門下生を育成
各種コンクールへの優勝、入賞
門下生が宝塚音楽学校入学試験に合格
など実績多数
門下生コンサートを企画・運営している。
独自の発声メソッド「美樹子メトードオオルリ」を持つ門下生を全国に広げる活動をしている
ここで強調されているのは、Mady Mesple に5年師事したこと。
ではメスプレの発声はどのようものでしょうか。
ドリーブ ラクメ Où va la jeune hindoue
続いて福田美樹子氏の歌唱
武満 徹 小さな空
オッフェンバック ホフマン物語 Les oiseaux dans la charmille
この方の個人レッスン料は、1時間 15,000円
※色々なコースがあるようですが・・・。
因みに謳い文句は
{小さなあなたの大きな夢をかなえる声楽塾」
だそうです。
確かにメスプレの声に似ています。
しかし、そもそもメスプレの発声は独特です。
この人は容姿と相まってオペレッタで売れた人なので、
少なくとも正統派と言えるクラシックの声楽家とはちょっと違います。
<メスプレの歌唱の特徴>
◆鼻腔の響きが強い。
◆独特のヴィブラートがある。
◆浅い響き
◆高音が得意
このような特徴があるのですが・・・
この発声、日本人のコロラトゥーラを得意とするソプラノ歌手と親和性の高い歌い方ではないか?
代表格は幸田浩子氏
幸田浩子氏
ラフマニノフ Vocalise
口が横に開いて響きが浅く、更に鼻に掛かった声で常に独特なヴィブラートが掛かっていますね。
私の耳には福田美樹子氏の歌い方と完全一致なんですが皆様はいかがでしょうか?
福田美樹子氏にもヴォカリーズで歌っている映像があるので、
改めて比較してみましょう。
2人の違いは、幸田氏が”a”母音を被せ気味に発音しているので、
ほぼ”o”だか”a”だか区別できないのに対して、
福田氏は全て開けっ広げな”a”です。
流石はオペレッタ歌手のメソッドだけあって、明るい音色ですが、
常にこの音色では強弱でしか表情がつけられません。
ですが、
,<コロラトゥーラソプラノ養成コース>というところの説明に
「ヨーロッパの師匠たちののコロラトゥーラのメソッドも取り入れながら、系統立ててお教えいたします。」
という文言があるのです。
「ヨーロッパの師匠たち」とはメスプレ以外指す対象はブスタマンテということになると思いますので、この人の歌も聴いてみましょう。
Carmen Bustamante
ブスタマンテはスペインのソプラノ歌手で、メスプレより知名度は低い歌手だと思いますが、実力という面で見るとどうでしょうか?
メスプレが独特な歌唱法だったのに対して、ブスタマンテは、
口のフォームや響きのポジションが整っています。
愚弟的に言えば、軽い声ではありますが、
鼻腔の響きが強い訳ではなく、基本的に響いているのは硬口蓋です。
それは早口の曲を聴くともっと分かり易いと思います。
グリーディ COMO QUIERES QUE ADIVINE
ヘスース グリーディというスペインの作曲家の歌曲
このように中低音で早口が必要な場合、鼻に入れてしまうと響きの貧しい声で、言葉が前にでません。
また、高音とは声の質が変わってしまいます。
改めて、メスプレの演奏を聴いてみましょう
ロッシーニ セビリャの理髪師 Una voce(フランス語歌唱)(6:57~)
いかがでしょうか。
メスプレはずっと口が横に開いて、上の前歯を見せて歌います。
福田美樹子氏の歌唱はと言えば、完全にメスプレの演奏スタイルを踏襲しており、ブスタマンテのスタイルは全くありません。
と言うより、ブスタマンテの歌唱はコロラトゥーラのメソッドとはどう考えても無関係です。
いったい「師匠たち」とはメスプレ以外誰を指しているのでしょうか。
こういうことを一々書くと、先日も批判を受けた訳ですけど、
考えてみてください。
生徒から一時間1万円以上とって教えるというのですから、
その価値を検証することは大事なことのはずです。
日本のレッスンの相場はあやふやで、
偉い先生だったら一時間2万とかとる人もいますし、
コンクールで有利になるため審査員の先生にレッスンを受けるなんて序の口です。
履歴書に聴衆が騙されるならそういう無駄な行為は消えないでしょうが、
逆に、聴衆が良いものに拍手を送り、悪いものには拒絶の意志を示すようになれば、履歴書を飾る手間暇をかけず、己の技術を磨くことに専念するようになる訳ですから、水準はあがっていくと思います。
そういう意味では、器楽に比べて声楽が世界的に通用しないのは、
ピアノやヴァイオリンに比べ、声楽を聴く聴衆の耳が育っていないということと同義である。というのが私の考えです。
【結論】
オオルリメソッドとは
◆発声のルーツはメスプレのものである。
◆「のびやかに高音を出せるようになり、4オクターブの声域を持つ声を出せるようになります」と記載があるが、当人の演奏お聴く限り怪しいのでこの文字列は消した方が良いと思う。。
※レッスンを一年受けて4オクターヴ出なかったら返金とかの保証がないとマズイでしょ、常識的にに考えて。
◆指導対象がクラシックの歌手に限定されていないことから
どちらかと言えば、クラシックよりミュージカルやオペレッタを中心にやりたい人にむいてそう
◆「ヨーロッパの師匠たちののコロラトゥーラのメソッド」
と書かれていますが、ヨーロッパにこのように歌う歌手はほぼおりません。
※これは今まで私が記事にしてきた歌手達を聴いて頂ければすぐわかることと思います。
もし実際にこのレッスンを受けられて、
「4オクターヴ出るようになりました!」
という方がいらっしゃいましたら、その様子をYOUTUBEなどにアップしてご連絡頂ければ、記事を即時訂正してその効果を代わりに紹介いたします。
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